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カズが見たコンフェデ杯「日本人はゼロからトップには行けない」

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「現役選手である以上は、常に日本代表を目指し続ける」。そう話す横浜FCのFW三浦知良は、今回のコンフェデレーションズ杯や大会報道を見ながら、あらためて日本人選手と世界トップレベルの選手たちの違いが、どこにあるのかを考えていたようだ。

「個の能力が違うと言えば、それまでなんだけど…。日本の選手たちが『マリーシア』とか『ずる賢い』と指摘しているのを記事で見たんだよ。『微妙なところで相手のFWの選手はサボっている』『うまく、どこかでサボっている』ってね。それに対して日本の選手は、一生懸命チームのためにやるけど、最後の局面ではヘトヘトになっているって」

 では、世界トップレベルの選手たちのように、日本の選手もサボりながらプレーすればいいのだろうか。同じことを日本の選手がやっても、必ずしもうまくいくとは限らないと、カズは持論を展開した。

「でも、個の力が違うせいか、溜めていて爆発するっていうのが、日本の選手はできないことの方が多い。向こうの選手はずっと歩いていても、一発で爆発できる。バロテッリなんかそうだし、OB戦だったけど、この前のビエリもそうだった。フラーッとしていて、急にガーンと来てさ。日本人は持久性があっても、ゼロからいきなりトップには行けない。車で言うと、ニュートラルからいきなり5には行けない。1、2、3、4ってギアを上げていかないと、体がそうなんだよね。ブラジル人とか、欧米人は、歩いているところから、一気に100に持っていける。その違いってやっぱりあるよね。そこは感じるよ。いきなりグワーッといけるっていう、あのパワーはね。日本人はやっぱり、ギアを一つずつ上げていく。そういう感じでしょ、やっぱり。その辺の違いは出るよね」

 来年のW杯に向けて、世界のトップを意識しつつ、日本人に合った強化をしてほしい。コンフェデレーションズ杯を観戦したカズの言葉からは、そんなメッセージが感じ取れる。

(取材・文 河合拓)

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