[8.25 NIKE LIGA NOVA U-16第9節 境2-0広島観音 鳥取東郷公園多目的広場]

　中国地域のU-16世代の選手育成及び指導者の強化を目的としたリーグ戦、「2013 NIKE LIGA NOVA U-16(NLNU16)」は25日、最終節を行い、ここまで1勝同士の境(鳥取)対広島観音(広島)戦は2-0で境が勝った。

「これまではゼロでと言っていましたけれどやられていた。(無失点は)初めてじゃないですか。このリーグを通じて逞しくなった。これで自信をつけてほしい」。境の指揮を執った山崎邦夫コーチは集中した攻守で戦い抜いた選手たちを讃えていた。後半の体力不足などによってここまで全試合で2得点以上奪われるなど、なかなか結果が出ていなかった境だが、最終戦を好内容で終えた。

　前半9分、抜け出したFW古好飛翔がGKとの1対1からGK頭上を射抜くループシュート。ボールはやや弱く、DFも懸命に戻ってきていたが、自ら追いついた古好がゴールへ押し込んで先制点を奪った。その後も古好とフィジカル能力に優れたFW田子英明の2トップが鋭い飛び出しから再三ゴールへ迫る。また推進力十分のドリブルとパスで存在感を放つMF住田尚規に、豊富な運動量で右サイドを駆け上がるMF縄手蹴矢やMF服部隆佑、MF長尾玲於がチャンスに絡んで得点機をつくり出した境は1点を加えて前半を2-0で折り返した。

　広島観音もパンチ力十分の左足を持つ左SB井村拓の攻撃参加とミドルシュート、MF中本峻平のボールキープ、MF森川拓海の切り返しからの左足シュートなどで反撃。声でそれぞれが意志を伝え合い、修正するなど苦しい試合を挽回しようとする。だが決定的なシュートを相手の好守に阻まれるなど無得点。終盤押し込まれていた境だが、「(チームは)最後の試合が一番良かった。みんなで声を掛け合ってチームとして守り切れた。(1年生同士が)チームとしてひとつになれた。この大会をやってよかったなと思います」というCB佐蔵滉を中心に集中力を切らさず、ゴール前で身体を張り、2点リードを守り切った。

　09年度の高校選手権を最後に近年全国舞台から遠ざかっている境。2度の高校選手権予選4連覇など鳥取の高校サッカーを引っ張ってきた県立の雄は全国復帰へ全力だ。今年の1年生はすでにトップチームでも主力を担う選手が多い。佐蔵は「自分はヘディングで絶対に負けないこと。チームの雰囲気をつくって貢献したい。みんな境高でやりたいと思って来ている。全国へ行って勝ちたい」。1年生全員で戦い、成長してきた境。この経験を今年、来年、そして再来年と必ず結果につなげる。

(取材・文　吉田太郎)