beacon

パスサッカーを封印して掴んだ勝利、浦和DF森脇「大谷くんのように二刀流で」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.31 J1第24節 浦和1-0新潟 埼玉]

 前節、優勝争いのライバルである横浜FM(0-3)に手も足も出せずに完敗。「前節の負けで危機感を持った」(槙野)という浦和レッズは「失点をしないこと」、そして「勝ち点3を奪うこと」にこだわった。DF槙野智章、MF柏木陽介、FW興梠慎三。それは試合後、ポジションを問わずに選手が口にした、共通のテーマだった。

「ガマンの試合」と守備の中心であるDF那須大亮が振り返ったように、アルビレックス新潟にパスで崩され、決定機をつくられるシーンもあったが、守備陣が体を張って最後まで得点を許さなかった。

「今日はパスで崩すというより、ロングボールで押し上げてセカンドボールを拾ってチャンスをつくろう、ということを自分たちで話し合って実践した。経験のある選手が多いので、臨機応変に、相手に応じて対応ができた」と語ったのは槙野。その言葉どおり、試合後に電光掲示板に表示された記録では、新潟のパス443本に対して、浦和のパスは370本。最終ラインから徹底的にパスをつないでいくスタイルは鳴りを潜めた。自分たちが貫いてきたパスサッカーを封印してまでこの試合に臨み、内容としては「良いサッカーではなかった」(ペトロヴィッチ監督)ものの、興梠のゴールを守り切り、今季6度目の完封勝利に成功した。

「最後は“ふくら(はぎ)”つりましたし、苦しかったですけど、みんなに助けてもらいながらやれた」。横浜FM戦で負傷交代したDF森脇良太は、フル出場で勝利に貢献した。いつもとは違う戦い方に、記者から“二刀流”という指摘をされると、森脇はすかさず答えた。「“二刀流”、大事だなと。大谷くんもしっかり頑張っているので、僕らもやらないわけにはいかないなと。彼から学ぶことはたくさんあると思ってますし。……苦しい?(笑)」。プロ野球・北海道日本ハムファイターズで投手と打者の“二刀流”に挑んでいる大谷翔平を引き合いに出し、2試合ぶりの勝利を“笑い”で締めくくった。

(取材・文 奥山典幸)

▼関連リンク
J1第24節LIVE速報

TOP