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アフリカ勢との対戦が楽しみと話す香川「ガーナには3人目が生きてくる」

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 ガーナ戦を翌日に控え、FW香川真司(マンチェスター・U)が日本得意のコンビネーションプレーで強豪を迎え撃ちたいと意欲を燃やした。

 ビデオで見たガーナは、思い描いていたとおりの典型的なアフリカ型チームだった。「個の能力が高い。身体能力的なところはいつの時代も変わらない。そういうところはやはりアフリカの選手だなと感じます」

 組織守備のもろさも常識としてインプットされていたとおりで、「チームとしてうまく攻撃できたときは必ず、スカウティング的にも裏を取れているということは分かっている」と弱点を口にした。

 もちろん、組織的に弱いとはいえ、簡単に裏を取れると思っているわけではない。W杯ドイツ大会ベスト16、南アフリカ大会ベスト8という実績が示すように、多少組織が崩されても個の力で何とかしてしまうのがガーナだ。

 有効になるのは3枚、4枚と人数をかけて仕掛けるコンビネーションプレーだ。機を見てリスクを負い、なるべく多くの人数をかけながら連係プレーで攻めていくことが重要だと、香川は考える。

「ガーナには本当に3人目が生きてくる。今、僕たちはその3人目を生かそうという攻撃を意識してやっているので、うまくいけば明日はそういうチャンスが生まれてくるのではないかと思う。楽しみです」

 “3人目”とはだれか。「攻撃が3枚、4枚かかわれれば必ずいい攻撃ができる。それはボランチであったり、僕のサイドであったり、トップ下でもいい」。当然、香川自身もその中の一人だ。積極的にゴールを狙っていこうとしているのは言うまでもない。

 C大阪時代のチームメイトである1トップのFW柿谷曜一朗との連係も徐々に上がってきた。トップ下のMF本田圭佑(CSKAモスクワ)も含めた3人でのプレータイムは、8月14日のウルグアイ戦で64分間、9月6日のグアテマラ戦では後半の30分間とまだ短いが、今合宿で1週間、練習を重ねてきたことで、「ボールをどこで欲しくて、どこで出せばいいのかというタイミングは分かっている。そこの関係はしゃべらなくてもあるし、そのフィーリングはすごくいい」と手応えを口にする。

 柿谷については「裏に抜ける動きがいいし、シンプルにゴールを狙うようになったところが以前と違っている」と評しており、香川から柿谷というラインも楽しみだ。

 岡田ジャパン時代の08年5月24日。日本代表デビューとなったのがアフリカ勢のコートジボワール戦(1-0)だった。19歳になったばかりの当時のことは「相当前だし、昔のことに浸ることはないから」と、特別な感情はないという。唯一無二のターゲットは来年6月のブラジルW杯。「とにかく今は強いチームとやることが必要だと思っている」と口を真一文字に結んだ。

(取材・文 矢内由美子)

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