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[国体少年男子]大阪の強力攻撃陣を完封、東京CB渡辺「楽しかった」

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[10.3 国体少年男子決勝 東京都1-0大阪府 味スタ]

「東京と大阪の力はあまり変わらないので、1点の勝負になると感じていました」。東京都のGK松嶋克哉(F東京U-18)は試合前から1点が勝敗を左右することを覚悟していたという。また最終ラインの中央で背後へのボール、クロスを跳ね返し続けたCB渡辺拓也(F東京U-18)は「試合前から厳しい試合になることは分かっていた。奥原監督から『とにかく我慢することが大事』と言われていたので、失点を絶対にゼロにして、前が絶対に取ってくれると思っていた。前半はボランチ2人とDF4枚で絶対にゼロに抑えようと思っていた。ハーフタイムに奥原監督から『絶対にカウンターが3本あるから、後ろはそれを信じて守ってくれ』と。(大阪の攻撃は)前にすごく迫力があった。でも楽しかったです」。

 大阪の強力攻撃陣は今大会3試合で12ゴールを記録。この日も東京の3倍となるシュート15本を放った。ただ守護神が「安心していました。ずっと信頼していました」と絶対の信頼を置いていたDF陣とともに1点も許さない。中盤ではボール奪取力に長けたMF安部柊斗(F東京U-18)がグラウンダーのボールに絡めば、サイドでは背後への危険なボールを身体を張って阻み続けた相原克哉柳貴博(ともにF東京U-18)の両SBが対人の強さも発揮して相手の突破を粘り強く阻止し続ける。

 危ないシーンは作られたものの、奥原崇監督が自信を持って送り出した中学生CB岡崎慎(F東京U-15深川)と渡辺のコンビ、そして187cmの大型守護神、松嶋が最後の砦となって大阪にゴールを許さなかった。大阪府の司令塔、MF市丸瑞希が「(東京は)運動量があって、献身的に守備してきたのでなかなかできなかった。ミドルシュートを打とうとしてもしっかり寄せてきていた」と評した前線の献身性も東京の堅守をより高めていた。

 DF陣は埼玉との大一番となった準々決勝では相手にポゼッションされながらもほぼ背後を取らせずに完封勝利。そして強風と雨の悪コンディションの中で行われた準決勝・京都戦でもDF陣はミスでボールをそらすことなく、確実に弾き返し続けた。奥原監督は「優秀な選手がたくさんいたのと、(鴻巣良真を含めた5人のDFを)上手く4枚固定せずに疲労感を考慮できたことは最後効いてきたかなと思います」。我慢強くやり通す実力と精神力、そして選手配置も含めて東京の堅守はライバルたちを上回る要因となった。

[写真]試合終了間際、大阪はGK松原がヘディングシュートを狙うが東京DF渡辺がクリア

(取材・文 吉田太郎)
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