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[選手権]“スーパーFK”決めた四中工DF中田が涙のPK失敗「チームも、自分も、成長して戻ってきたい」

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[1.11 全国高校選手権準決勝 富山一2-2(PK5-3)四日市中央工 国立]

 国立を沸かせたスーパーゴールを決めた四日市中央工DF中田永一(2年)が“悲劇のヒーロー”になってしまった。中田は0-1の前半44分、左中間で獲得したFKで左足一閃。鋭く横に変化したボールは逆サイドのゴールネットへ突き刺さった。スタンドから驚きの声もあがった「スーパーFK」。「中村俊輔選手のキックが好きなんですけど、そういう軌道で蹴りました。国立で点決められたのは嬉しい。入って良かったです」という一撃で試合を振り出しに戻した。

 この後も得意の左足から放たれるFK、CKが相手ゴールを脅かした。ただ2-2でもつれ込んだPK戦、3人目のキッカーとして臨んだ中田の左足キックは相手GKに止められてしまう。「自分のせいで負けた」と涙の止まらない中田の背に先輩たちの声。「(エースの井手川)純さんとか(控えGKの中村)研吾さんとか、『オマエのせいじゃない』と言ってくれて、本当に助かりました」

 この悔しさは来年、必ず晴らす。「国立じゃないですけど来年がある。戻ってきたいです。自分が中心選手になって、選手権予選もしっかり勝って、チームも、自分も、成長して戻ってきたい」。叔父が四中工OBで22年前の第70回大会優勝メンバーの中田一三氏ということもあって注目され、その中で本人も「変わった」ことを感じた今大会。涙を流した先輩たちの思いも背負って、1年間努力を続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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