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[オーシャン杯]湘南の新守護神GK三浦「町田戦は無失点に抑えたい」

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[5.23 オーシャン杯 湘南4-3すみだ 小田原]

 0-3からのビハインドを、10分間でひっくり返し、準決勝進出をホームで決めた。個人のパフォーマンスを見ても、決定的なピンチを何度も救っていた。新チームでのスタートとしては悪くない内容だったが、湘南ベルマーレ(Fリーグ)のGK三浦拓の自己採点は「今日は勝ったことだけですかね、良かったのは」と、かなり厳しかった。

「チーム的には、勝てて良かったんですけどね。試合展開には痺れたのですが、個人的には3失点したこともそうですし、失点したタイミング、失点の仕方。かなりしょっぱいデビュー戦になったというか、課題が残ったかなという感じです」

 3失点中、2失点は防げたと唇を噛む。「1点目と3点目。結果論ですが、あの2点を止められていれば、もう少しラクな試合になったかなと思います」。1失点目は、味方が低い位置でボールを奪われ、ショートカウンターから1対1をFP太見寿人に股抜きシュートで決められた。

「うちの戦術上、底辺で失うことは予測できていたことですし、ちょっと準備不足だったと思います。焦って、PAの外に出てしまい、足を出したところで股が開いて、そこを狙われた。それも十分に頭に入れていたのですが、冷静さを欠いたことが1失点目の課題です」

 悔しさに輪をかけたのは、3失点目だろう。昨季までファイルフォックス府中でチームメイトだったFP田村佳翔に、ループシュートでゴールを決められた。

「3失点目の課題は、シュートを打たれる前の問題ですね。底辺でボールを失って、こぼれたときに、DFに行かせるのか、自分が行くのか。ちょっと躊躇して決められた。しかも、相手が(田村)佳翔だったから。昨日、アイツに連絡して『明日は、お互いに頑張ろう。やられないぞ』って話をしていただけに、悔しいですね」

 この場面を含め、味方との連係に課題を感じることが多かったと三浦は言う。これまで一緒に練習をしてきたが、やはり試合での発見は多かったようだ。「今日、初めて試合をしてみて、チームメイトについて『こういうプレーヤーなんだ』とわかったことは、すごく自分にとってプラスになった」と言い、だからこそ、この日の勝利が大きな意味を持つと強調した。

「この結果、あと2試合公式戦ができますからね。Fリーグ開幕に向けて、すごく大きいことですし、試合を重ねて、試合でしか得られないものをしっかり吸収していきたいです」

 準決勝で対戦する町田は、今オフ、湘南とともに三浦に対して獲得オファーを出していたクラブだ。町田に加入すれば、Fリーグ最強守護神GKイゴールと日々の練習をともにできる。大きな魅力を感じながらも、最終的には出場機会を求めて湘南入りを決めた。「その決断が『正解だった』と思えるようにしないといけないし、そんな中で負けたら悔しいと思うので。世界でも戦えるレベルのイゴールと、開幕前に対戦できると思っていなかったので、良い経験にしたいと思います。明日は無失点でいきたいですね」と、闘志を燃やした。

(取材・文 河合拓)

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