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[オーシャン杯]逆転負けのすみだ須賀監督「面白いな、Fリーグ」

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[5.23 オーシャン杯 湘南4-3すみだ 小田原]

 間違いなく、ショッキングな負けだった。3点をリードしたフウガドールすみだは、試合をコントロールできているように思われた。ところが後半11分、湘南のFP岡野健のミドルシュートがゴールに突き刺さると、試合の流れは一変する。その後、パワープレーから2点を決められたすみだは、アウェーの会場の雰囲気にも飲まれてしまい、FP内村俊太に逆転ゴールを決められ、3-4の逆転負けを喫した。

 ほぼ手中に収めていた勝利を逃したすみだだが、試合後の須賀雄大監督の表情は、生きいきとしていた。「新しい選手の発掘とか、成長を意識したわけではなく、勝つことにしっかりと目標を持って挑んだ大会でした。選手にも、僕にも、言い訳はありません。実力不足の敗戦だと思っています」。試合後の会見で、そう切り出した須賀監督は「逆に、あらためて『面白いな、Fリーグ』と、みんな思っていると思います。この試合を糧に、やっていきたいなと思います」と続けた。

 今大会、アジア選手権に出場していた日本代表選手を休ませるチーム、若手に出場機会を与えているチームが多い中、今季からFリーグに加入するすみだは、結果にこだわって大会に臨んだ。その上で喫した黒星に、須賀は高揚していた。

 これまで戦ってきた関東リーグという舞台以上に、シビアな戦いができること。そして、自分たちが成長できる場であることを、感じられたからだった。

「ディテールにこだわっていけないといけない。たとえば、ボール一つ分、利き足、逆足の選択であったり、1メートルのポジショニングが高いのか、低いのか。出るのか、ステイするのか。そういう選択を一つ間違えると、勝敗が変わってしまうリーグだなと。もちろん、分かっていた部分ではあるのですが、あらためて、そういう部分が、僕にとっても、選手にとっても、面白いリーグだなと思っています」と話した若き指揮官は「これから、もっと面白い試合がたくさんできると思います」と目を輝かせた。

 3月に行われたPUMA杯でも、すみだは湘南に3-4で敗れて決勝トーナメントに進めなかった。2度の借りをつくった相手について「最後まであきらめない気持ちを、あらためて素晴らしいと思っています。PUMA杯を含めて、学ぶところが多い選手、チームだなと思っている」と評した須賀は、「Fリーグでリベンジできたらと思います」と、力を込めた。

 Fリーグクラブとして臨んだ初の公式大会。旋風を起こすことはできなかったが、須賀の言葉通りに、「この試合を糧に」できれば、地域リーグで圧倒的な強さを見せ続けて来たすみだにとって、価値のある一敗になるはずだ。

(取材・文 河合拓)

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