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本田先制も黒星発進…悪夢の連続失点で逆転負け

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[6.14 ブラジルW杯C組 日本1-2コートジボワール レシフェ]

 日本代表は14日(日本時間15日)、グループリーグ第1戦でコートジボワール代表と対戦し、1-2で敗れた。前半16分にFW本田圭佑が先制点を決め、前半は1点リードで折り返したが、後半19分、21分に連続失点。1-2の逆転負けを喫し、初戦を落とした。日本は19日(日本時間20日)の第2戦で、この日コロンビアに0-3で敗れたギリシャと対戦する。

 日本は右膝の故障の影響で米フロリダ遠征での強化試合2試合を欠場したMF長谷部誠が先発出場。MF遠藤保仁はベンチスタートとなり、MF山口蛍とダブルボランチを組んだ。最終ラインは右からDF内田篤人、DF森重真人、DF吉田麻也、DF長友佑都で、GKは川島永嗣。2列目は右からFW岡崎慎司、本田、FW香川真司と並び、1トップにはFW大迫勇也が入った。
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 現地時間午後10時キックオフということもあり、試合開始時点で気温は26度まで下がったが、湿度は77%。試合前から雨が降り出し、蒸し暑さの残る中で始まった試合はキックオフとともに徐々に雨脚も強まった。

 序盤はコートジボワールがボール支配率を高め、日本にとっては我慢の時間が続いた。前半3分、バイタルエリアでMFヤヤ・トゥレをフリーにしてしまい、右サイドに展開。FWサロモン・カルーのクロスボールは自陣PA内まで戻ってきた岡崎がヘディングでクリアした。

 前半6分には相手陣内で香川のパスがカットされ、カウンターのピンチを招いた。右サイドにポジションチェンジしてきたFWジェルビーニョのドリブルに対し、吉田は距離を空けて対応。ズルズルと押し込まれ、PA内のFWウィルフリード・ボニーに縦パスを通されたが、ボニーのシュートは森重が体を寄せて防いだ。

 立ち上がりの劣勢をしのいだ日本はワンチャンスを生かした。前半16分、左サイドからのスローイン。長友が香川に当て、リターンを受けた長友が中央に流すと、本田が右足のワントラップで縦に運び、PA内左45度から左足を振り抜いた。豪快にニアサイドを破る先制点。ゴールを確認した本田は雄叫びをあげながら日本ベンチに向かってダッシュし、控え選手たちと抱き合って喜んだ。

 前日13日が28歳の誕生日だった本田の1日遅れのバースデー弾は、日本人選手最多となるW杯通算3得点目。ちょうど4年前の南アフリカW杯グループリーグ第1戦・カメルーン戦(1-0)の再現を見るかのような本田の先制点だった。

 日本は前半21分、自陣でインターセプトした吉田がそのままドリブルで持ち上がり、左サイドに開いた大迫に展開。大迫が中央に入れたボールを吉田がつなぎ、右サイドをオーバーラップしてきた内田に本田からパスが通った。内田は強引な突破でPA内に切れ込み、鋭い切り返しから左足でシュート。決定的な場面だったが、シュートは惜しくもGKの正面を突いた。

 その後はコートジボワールの反撃に耐える時間が続いた。前半23分にはMFディエ・セレイのドリブル突破に対応した吉田がファウルを取られ、イエローカード。コートジボワールは前半24分にヤヤ・トゥレ、同31分にはDFアルトゥール・ボカが直接FKを狙ったが、ゴール上に外れた。波状攻撃に出るコートジボワール。それでも山口や森重らが体を張ったシュートブロックを見せるなど、日本の守備陣も粘り強く対応した。前半35分、CKのこぼれ球を狙ったボカのミドルシュートも川島がセーブ。何とか前半を1点リードで折り返した。

 日本は後半8分、長谷部に代えてMF遠藤保仁を投入。そのままキャプテンマークも遠藤が引き継いだ。徐々にパスが回る時間も増え、相手陣内でゲームを進めるが、最後のところで崩し切れない。逆に後半13分、カウンターからヤヤ・トゥレのドリブル突破に対し、PA内で吉田がスライディングタックルでカット。ファウルかどうか微妙な場面だったが、主審の笛は鳴らなかった。

 コートジボワールは後半17分、セレイに代えてFWディディエ・ドログバを投入。世界的ビッグネームの登場にスタジアムからも割れんばかりの大歓声が起きた。ドログバとボニーが2トップを組む4-4-2にシステムを変更。出場直後にドログバがビッグチャンスを演出するなど流れを一変させると、連続ゴールで一気に試合をひっくり返した。

 後半19分、右サイドからDFセルジュ・オーリエがアーリークロスを入れると、ボニーが体勢を崩しながらもヘディングで捉え、ゴール左隅に流し込んだ。森重も対応していたが、抑え切れず。1-1の同点に追いつかれた。すると、そのわずか2分後だった。またしてもオーリエの右クロスからニアサイドのジェルビーニョがヘディングシュート。今度は完全にフリーにしてしまい、1-2と逆転を許した。

 一転して1点を追う展開となった日本は失点直後の後半22分に大迫に代えてFW大久保嘉人を投入。大久保は左サイドに入り、香川がトップ下、本田が1トップにポジションを移した。しかし、その後もなかなか効果的な攻撃を見せられない。逃げ切り体勢に入ったコートジボワールの守備をこじ開けられず、時間だけが経過。後半41分、最後の交代カードを切り、香川に代わってFW柿谷曜一朗が入った。

 柿谷が1トップに入り、再び本田がトップ下へ。何とか同点に追いつき、勝ち点1でも奪いたい日本だが、その後も圧倒的な個の力を持つコートジボワールの攻撃を跳ね返すのが精一杯。後半はチャンスらしいチャンスをつくれぬまま、タイムアップのホイッスルが鳴った。黒星発進……。グループリーグ突破の行方を大きく左右する第1戦は悪夢の逆転負けとなった。

(取材・文 西山紘平)

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