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シャーレを掲げるG大阪FW宇佐美「重かったし、冷たかった。でも、そこで実感がわいた」

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[12.6 J1第34節 徳島0-0G大阪 鳴門大塚]

 勝てば事実上、優勝が決まるという一戦でガンバ大阪は苦しんだ。すでに来季のJ2降格が決まっている徳島ヴォルティスはゴール前に人垣を築き、決定機をつくらせなかった。
試合の序盤をFW宇佐美貴史は、「(自分たちに)堅かったと思いますね」と振り返る。

「相手がどうくるかも分からない中、あれだけ引かれて…。ああいう戦い方をされることも想定していましたが、思った以上にドン引きした戦い方をされたので、難しさもありました」

 宇佐美、FWパトリックらを中心に、ゴールに迫る場面もあったG大阪だが、試合はスコアレスドローに終わった。それでも、他会場の結果を受けて9年ぶり2度目のリーグ優勝が決定。「最後は勝って終わりたかったというのが正直ありますね。素直な気持ちは勝って終わりたかった」と、率直に明かす宇佐美は「頭が真っ白になりました。でも、実感がなかった」という。リーグ優勝の実感を得たのは、ロッカールームに戻る直前、サポーターの前でシャーレを受け取ったときだった。

「シャーレはめっちゃ重かったし、めっちゃ冷たかったし(笑)。ああいうの、あまり持ちたくないタイプなんですよね、実は。でも、最後に持たせてもらって、そこでやっと実感がわいた感じでした」

 すでにナビスコ杯も制覇しているG大阪は、これで2冠を達成した。「1年間フルでやってきて、その集大成という意味では(リーグ優勝の)意味に重みはあると思いますが、チームにとって大切というのはナビスコもJも一緒です」と話す宇佐美は、3冠を視野に入れている。

 13日に行われる天皇杯決勝の山形戦では、この日、挙げることのできなかったゴールを目指す。「ああいう戦い方をしてくる相手に、崩していくアイディアを持てるか。(自分たちも)今日ほどの固さはないでしょうし、そこは課題としてしっかり意識していきたい」と言い、「今日、明日は全く考えずに、オフ明けから山形戦の対策をしたい。今日、明日はいいんじゃないですかね」。まずは勝利の美酒に酔い、チーム史上初となる偉業達成に切り替える。
(取材・文 河合拓)
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