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得点ランキングトップタイの10点目も敗戦…鳥栖FW豊田「勝ちたかった」

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[5.23 J1第1ステージ第13節 川崎F3-2鳥栖 等々力]

 非凡な得点能力を見せつけた。前半36分、FW杉本健勇に1点を先行されていたサガン鳥栖は、2列目左サイドのMF金民友が中央でMF高橋義希からの縦パスを前を向きながら受けると、左サイドに開いていたFW豊田陽平へとスルーパスを通す。ペナルティーエリア内でワントラップした後には、シュートコースは狭まっていた。「あそこからファーに打つと絶対にDFに当たる」と判断した豊田は、左足でGK新井章太のニアサイドをぶち抜いた。これで2試合連続の得点となり、今季の得点数は「10」に。試合のなかったFW宇佐美貴史(G大阪)に並んで、得点ランキングトップに立った。

 その後、鳥栖はFW大久保嘉人に逆転弾を許すも、オウンゴールで再びタイスコアになるが、後半38分に杉本に2点目を献上し、2-3で敗れた。しかし、「今年一番くらいの内容」と森下仁志監督は示唆する。川崎Fがショートパスをつなぐいつものスタイルより、ロングボールを多用したことで空中戦に分がある鳥栖のリズムになる時間が多かった。「フロンターレらしくはなかったと思う。だからこそ勝ちたかった。最悪引き分けにはできたんじゃないかなと。いつもの自信を持ったサッカーじゃなかったので、チャンスだった」。豊田も敗戦を心から悔やんでいた。

 奇しくもこの日スコアを重ねた3選手、豊田(1得点)、大久保(1得点)、杉本(2得点)は、すべて今月7日に発表された日本代表候補メンバーだ。5つの得点が決まり(ひとつはオウンゴール)、決めるべき選手が決めた試合に、1万4881人が詰めかけた等々力競技場は沸きに沸いた。12日から13日に行われた日本代表候補合宿をともに過ごした大久保と杉本、さらに自身がゴールを決めた展開に豊田も満足を示す。

「お互いにいいパフォーマンスをしていけば、きっと日本のためにもなるし。そうしていくことで自分も成長していけると思っている。今日2人とも決めましたし、自分も決めましたし、それは自分の中での理想なんじゃないかなと思う」

 ストライカーの競演を喜んだが、鳥栖のエースは自らの前言をすぐに打ち消した。「理想じゃないのは負けたこと」。

(取材・文 奥山典幸)

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