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[MOM1382]東京朝鮮DFキム・ファンジ(3年)_指揮官絶賛の根性と仲間想いのリーダー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.24 全国高校総体東京都予選1次決勝 東京朝鮮高 1-0 多摩大目黒高 駒沢2]

 東京朝鮮高の高隆志監督が「あんなキャプテン見たことないぐらい」と評するリーダーだ。CBキム・ファンジ(3年)はチームを精神面で引っ張る主将。この日は相手の精度高い背後への攻撃や、セットプレーで危ないシーンをつくられたが、PAへのボールを気迫と泥臭いまでの守りで跳ね返すキム・ファンジ中心に東京朝鮮は無失点で切り抜けて、ベスト8進出を果たした。

 キム・ファンジは自分を上手い選手だとは全く思っていない。だが、「メンバーだから、試合に出れているから偉いとか、本当にウチは昔から悪い伝統なんですけど、自分は下手くそですし、運よく試合に出れているようなものですから、出れていない選手の分も戦うことを意識しています」というように、その仲間のために戦う姿勢がチームをひとつにし、苦境を乗り越えさせている。

 例年にないほど団結力あるチームとなっているという今年の東京朝鮮。高隆志監督は主将の人柄の影響が大きいと説明する。Bチームの試合があれば、多少遠方でもAチームの練習後に駆けつけて応援し、疲れていてもBチームの選手たちと食事してともに帰る。「いつも声出して応援してくれている。見に行くのが当たり前だと思っています」という仲間想いのキム・ファンジについて、指揮官は「ガッツがある。周りを引っ張ります。チームメートから信頼を受けている」と絶賛。彼が先頭になって発揮する団結力や根性を8強進出の要因に挙げた。

「自分はデカい奴らに比べたらそんな体もないし、足も遅いし、足元もないですから、根性で食らいついていくしかない。プライドにはならないですけど戦っていくにはこれしかない。自分の気持ちを前に出していくしかないと思っています」とキム・ファンジ。ここから勝ち上がり、全国大会へ出場するために必要な条件について「ガッツです。根性です。朝高魂だと思います」と改めて強調したDFが準々決勝でも帝京高相手に気持ちを込めて全力で戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)
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