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全日本初招集で知り合いゼロからのスタートも、福岡大MF野嶽「チャンスをもらったので」

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[3.9 練習試合 U-19日本代表候補1-2全日本大学選抜 味フィ西]

 全日本大学選抜へ初招集されたMF野嶽惇也(福岡大3年=神村学園高)は、9日に行われたU-19日本代表候補とのトレーニングマッチの一本目に先発出場。しかし、試合後は「今日はなかなか難しかった」と唇を噛んだ。

 神村学園高から福岡大へ進んだ野嶽。大学4年生になるのを目前に全日本大学選抜初招集となった今回は、九州勢からただ一人の選出となった。中高時代のチームメイトもいなく、知り合いが一人もいない状況。加えて合宿初日のトレーニングマッチということもあり、コミュニケーションや連携に難しさを感じる場面があったようだ。

「選抜が初めてで、今日の試合ではなかなか持ち味が出せなかったのが率直な感想です。自分の持ち味は裏に抜け出すプレーだったり、ドリブルでの力強さだと思っていますが、そこはまだまだでした」と反省を口にする。

 一本目と二本目の18分まで出場。4-1-4-1の2列目右に位置したが、持ち味のドリブル突破のシーンは少なく、守備に負われる場面もあり、思うようなプレーをみせることはできなかった。それでも野嶽は「今日はなかなか難しかった……でもチャンスをもらったので、ここからやっていきたい」と前を向き、「知り合いがいないとか、上へ行ったらそんなことも言ってられないので」と表情を引き締めた。

 今月6日まで行われた第30回デンソーカップチャレンジサッカー宮崎大会には九州選抜の中心選手として出場。九州選抜は準決勝で関西選抜に0-3で敗れると、3・4位決定戦では北海道・東北選抜に0-0(PK4-3)で敗戦。チームは3戦無得点での4位に終わるなか、野嶽は持ち味の力強い突破で幾度もチャンスを演出していた。

 デンチャレでは、自身のプレーがチームの結果につながらないというもどかしさはあったようだが、「自分が(点を)取らないといけなかったですけど、ボールを簡単には失わないというのは今季のテーマでやっていて、そうしながら仕掛けだったりを多く出来たところには手応えはあった」と振り返る。

 そこでの活躍を認められ、今回は大学3年生にして自身初の全日本入り。「(デンチャレでは)チャンスをつくれたし、そこを評価して呼ばれたと思うのでここで結果を出したいと思います」と誓った。

 今後、全日本大学選抜はマレーシア遠征を経て、20日には大学日韓定期戦を迎える。全日本の宮崎純一監督は野嶽ら3年生のプレーや、サッカーへ対する姿勢が下級生たちの刺激となることを期待している。もちろん野嶽も理解しているが、3年生MFは自分自身の向上にも貪欲な姿勢をみせた。

「日韓戦へ向けて、このメンバーに選ばれたので、そこに向けてチームとしていい方向に向かっていけるように。そのなかで自分自身も成長できると思う。上手い人の中でサッカーができるので、日韓戦に出ることを目標にたくさんのことを吸収できれば」

 昨季の福岡大は九州大学リーグを3年ぶりに制するも、総理大臣杯では準々決勝で筑波大に1-3で敗戦。全日本大学選手権では2回戦で順天堂大に0-2で敗れて姿を消した。野嶽は大学最終学年の2016シーズンへ向けては「去年はリーグ優勝したんですけど、全国では中身も結果もついてこなかった。最高学年になるので、自分が攻撃を引っ張って、内容を求めながら結果につなげていければ」と力を込めた。初となる全日本大学選抜での経験を福岡大へ持ち帰るつもりでいる。

(取材・文 片岡涼)
●2016年全日本大学選抜特集

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