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かつてのホームが真っ赤に染まる…感謝の熊本DF藏川「不思議な感じ」「有難かった」

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 かつてのホームスタジアムが赤く染まっていた。「不思議な感じでしたね」。2011年まで日立柏サッカー場を本拠地とする柏レイソルに在籍し、ロアッソ熊本で5シーズン目を迎えたDF藏川洋平は、「試合中とかも声をかけてもらって、すごい温かく迎えてもらった」と感慨に浸った。

 運命的なものよりも驚きを感じたという。「日立台と聞いた時はマジでと思いました。いろんなところで探しているとは聞いていたが、まさか使わせてもらえるとは思わなかった」。ただその思いはすぐに感謝へと変わった。「距離感が近いので。声も聞こえてきますし。今まで黄色く染まったところしか見たことなかったので、赤く染まったのは初めてだった。不思議な感じはしましたが、有難かったです」。

 震災の記憶は38歳ベテランにも衝撃として残っている。4月14日の前震は「まだ生活出来た」と振り返るが、同16日に最大震度7を観測した本震時は「アパートが崩れるかと思った」ほどの恐怖を感じたという。地震のあとは車に避難したという藏川。幸いにも1日で自宅に戻ることが出来たが、「家が倒壊したやつもいるので…」と今も複雑な感情を拭えずにいる。

 それでも現在の環境で出来ることを精一杯やる。そしてサッカーができる環境に感謝して日々を過ごすこと、サッカーで結果を残すことが、熊本に勇気、元気を与えることに繋がると信じている。「だいぶ落ち着いてきているが、避難所で生活している人もいる。まだまだこれからじゃないでしょうか」と被災地の現状を語った藏川は、「いいニュースを届けたいですね」と一戦でも早く勝利を届けることを誓った。

(取材・文 児玉幸洋)
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