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1年ぶりの代表戦でPKストップ!川島「ギリギリまで待った」

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[6.3 キリン杯準決勝 日本7-2ブルガリア 豊田ス]

 大味な試合になりそうな展開で最後に締めた。約1年ぶりに日本代表のゴールマウスを守ったGK川島永嗣(ダンディー・U)が試合終了間際のピンチに見事、PKストップ。2失点したものの、随所に好セーブを見せ、自身の“代表復帰戦”を勝利で飾った。

「家族、チームメイトを含めて多くの人たちに支えられて、またここに戻って来ることができた。自分の努力は本当にちっぽけだと思うし、多くの人たちに支えられた力が大きかったと思う」

 昨夏にスタンダール・リエージュ(ベルギー)を退団後は約半年間、所属チームがないまま実戦を離れ、同時に日本代表からも遠ざかった。この日が昨年6月16日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦(0-0)以来、約1年ぶりの代表戦。特別な感情がわかないはずがなかった。

 最初の見せ場は前半22分。ブルガリアはDFストラヒル・ポポフの右クロスからFWディミタル・ランゲロフがヘディングシュートを放つが、鋭い反応を見せた川島が左手1本で弾き出す。6-0と大量リードを奪ったあとに2点を失ったが、FW浅野拓磨のPKで7-2と再び突き放し、迎えた後半45分、FW原口元気が与えてしまったPKの場面で川島が立ちはだかった。

 MFゲオルギ・ミラノフが左足で右方向を狙ったキックを川島が横っ飛びでセーブ。「ギリギリまで待とうと思った。最初は右利きの選手が蹴るかなと思っていて、逆に行こうと思っていたけど、左利きの選手に変わったので、最後まで我慢しようと思ったら、ちょうどタイミングが合った」。完璧なセービングでゴールを死守。3点目を許さず、7-2のまま試合を締めくくった。

 ハリルホジッチ監督は「(川島)永嗣もよくやってくれた。2、3回、素晴らしいセーブを見せてくれた。特にPKだ」とねぎらったが、川島自身は満足していない。「勝ったことは良かったし、PKを止められたのも良かったけど、自分の中では2失点に納得しているわけでも何でもない」。そう力説した背番号1は「厳しい試合になれば、1点の重みが結果につながってくる。そういうところをもっと詰めていかないといけない」と、この先の戦いを見据えていた。

(取材・文 西山紘平)

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