日本高校選抜が流経大Aチームに3発快勝!8日出発の欧州遠征、デュッセルドルフ国際ユースへ弾み
[4.7 練習試合 日本高校選抜 3-1 流通経済大]
第95回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜が7日、千葉県内で流通経済大と練習試合(30分×3本)を行い、FW安藤瑞季(長崎総合科学大附高3年)の2ゴールなどによって3-1で勝った。日本高校選抜は8日に欧州へ出発。オランダでU-18オランダ代表などと練習試合を行った後、ドイツへ入り、デュッセルドルフ国際ユース大会に出場する。
日本高校選抜が大学サッカー界屈指の強豪・流経大のAチーム相手に快勝した。黒田剛監督(青森山田高)は試合後、選手たちへ向けて課題に全力で取り組まなければならないことを強調。「7、8割でやってしまうとダメ出し、だから今掲げているテーマに全力で取り組め」と求めた。クロスボールを増やしてくるであろう欧州の相手に対して縦を切って横パスを増やさせるといったテーマを選手たちは理解し、実行。だが指揮官は「安易に縦に入れさせたり、狙えなかったりというのがあった。継続性とクオリティを高めること」とより徹底していくことを口にしていた。
デンソーカップチャレンジMVPのMF守田英正(4年=金光大阪高)やともに全日本大学選抜のDF小池裕太(3年=新潟U-18)、FW渡邉新太(4年=新潟U-18)らが先発した流経大に対し、4-5-1システムを組んだ日本高校選抜のGKは廣末陸(青森山田高→FC東京)。4バックは右SB三国スティビアエブス(青森山田高→順天堂大)、CB佐藤瑶大(駒澤大高→明治大)、CB阿部海大(東福岡高3年)、左SB杉山弾斗(市立船橋高3年)。中盤は主将の住永翔(青森山田高→明治大)と金子大毅(市立船橋高→神奈川大)のダブルボランチで右MF飯島陸(前橋育英高3年)、左MF鳥海芳樹(桐光学園高→桐蔭横浜大)、トップ下が町野修斗(履正社高3年)で1トップに安藤が入った。
1本目、風上に立った高校選抜が強風の後押しを受けて攻め込む。安藤が大学生CBとのマッチアップを優勢に進めたほか、テンポの速いパスも繋がる高校選抜は12分、廣末のロングキックから背負ったDFを鋭いターンで強引に振り切った安藤が決定的な右足シュート。15分には前線からのプレッシングで相手ボールをインターセプトすると、町野からのパスを受けた安藤が左足で豪快に決めて先制した。
高校選抜はさらに17分、自陣から素早くパスを繋いで攻めると、鳥海のスルーパスで抜け出した安藤がファウルで止められてPKに。これを安藤が右足で決めて2-0とした。流経大も直後に敵陣でのインターセプトから一瞬の動きでDFを置き去りにしたFW立花歩夢(4年=流通経済大柏高)が決めて1点を返す。だがコンセプトのゴールを隠す、シュートを打たせないという部分を徹底する高校選抜を飲み込むことができない。
2本目、阿部をCB橋本恭輔(青森山田高→新潟医療福祉大)へチェンジした高校選抜は三國と飯島の右サイド、鳥海と杉山の左サイドでそれぞれ相手に縦に行かせないこと、クロスを上げさせないことというテーマをよく実行。また住永と金子のボランチラインが簡単には相手を前進させない。風下になったことで攻められる時間帯も続いたが、住永の展開から町野を経由して杉山が決定的なクロスを上げるなど、3点目のチャンスも作り出した。
15分には廣末、町野、飯島に代えてGK山ノ井拓己(静岡学園高→福岡)、左MF松本泰志(昌平高→広島)、FW伊藤龍生(米子北高→鹿屋体育大)を投入。金子がインターセプトから右足シュートを打ち込むと25分には再び金子のインターセプトから伊藤がGKと1対1に。これは決めきれなかったが、好反応を見せた山ノ井やカバーリングでピンチの芽を潰した橋本の好守などによって同点ゴールを許さずに2本目を終えた。
3本目、メンバーを全て入れ替えた流経大に対し、高校選抜は三國、橋本、杉山に代えて右SBに常盤悠(尚志高→新潟医療福祉大)、左SBに渡邊泰基(前橋育英高3年)、ボランチに大塚諒(前橋育英高→立教大)を投入。金子をCBへ移した。住永が相手GKまでプレッシャーをかけるなど周囲に影響を与えるようなプレーも見せる高校選抜は10分、住永のインターセプトから安藤が繋ぎ、鳥海がフィニッシュ。そして15分には左CKのクリアボールを拾った鳥海がゴール方向へ入れたクロスを佐藤が頭で合わせて3-1とした。20分に安藤を町野へ入れ替え、決定機もつくった高校選抜は相手にPAまでボールを運ばれながらも決定打を打たせずに快勝。格上から白星をもぎ取り、欧州遠征へ向けて弾みをつけた。
試合後、住永は「(全国の高校サッカー部員たちの代表という)責任があると思う。世界への切符は一人ひとりが取ったものであると思うんですけれども、それは自分だけの思いではなくて他の選手たちの思いとか、選考会へ来ていた人の思いとか考えたら軽いプレーはできないと思うし、軽いプレーをしているようじゃ先はないと思うので、目の前の一戦に向けて厳しく激しくやっていきたい」と誓った。目標は4年ぶりとなるデュッセルドルフ国際ユース優勝、そして18人全員が成長して帰ってくること。多くの思いを背負って、高校サッカーの代表選手たちが欧州で挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ
第95回全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に構成された日本高校選抜が7日、千葉県内で流通経済大と練習試合(30分×3本)を行い、FW安藤瑞季(長崎総合科学大附高3年)の2ゴールなどによって3-1で勝った。日本高校選抜は8日に欧州へ出発。オランダでU-18オランダ代表などと練習試合を行った後、ドイツへ入り、デュッセルドルフ国際ユース大会に出場する。
日本高校選抜が大学サッカー界屈指の強豪・流経大のAチーム相手に快勝した。黒田剛監督(青森山田高)は試合後、選手たちへ向けて課題に全力で取り組まなければならないことを強調。「7、8割でやってしまうとダメ出し、だから今掲げているテーマに全力で取り組め」と求めた。クロスボールを増やしてくるであろう欧州の相手に対して縦を切って横パスを増やさせるといったテーマを選手たちは理解し、実行。だが指揮官は「安易に縦に入れさせたり、狙えなかったりというのがあった。継続性とクオリティを高めること」とより徹底していくことを口にしていた。
デンソーカップチャレンジMVPのMF守田英正(4年=金光大阪高)やともに全日本大学選抜のDF小池裕太(3年=新潟U-18)、FW渡邉新太(4年=新潟U-18)らが先発した流経大に対し、4-5-1システムを組んだ日本高校選抜のGKは廣末陸(青森山田高→FC東京)。4バックは右SB三国スティビアエブス(青森山田高→順天堂大)、CB佐藤瑶大(駒澤大高→明治大)、CB阿部海大(東福岡高3年)、左SB杉山弾斗(市立船橋高3年)。中盤は主将の住永翔(青森山田高→明治大)と金子大毅(市立船橋高→神奈川大)のダブルボランチで右MF飯島陸(前橋育英高3年)、左MF鳥海芳樹(桐光学園高→桐蔭横浜大)、トップ下が町野修斗(履正社高3年)で1トップに安藤が入った。
1本目、風上に立った高校選抜が強風の後押しを受けて攻め込む。安藤が大学生CBとのマッチアップを優勢に進めたほか、テンポの速いパスも繋がる高校選抜は12分、廣末のロングキックから背負ったDFを鋭いターンで強引に振り切った安藤が決定的な右足シュート。15分には前線からのプレッシングで相手ボールをインターセプトすると、町野からのパスを受けた安藤が左足で豪快に決めて先制した。
高校選抜はさらに17分、自陣から素早くパスを繋いで攻めると、鳥海のスルーパスで抜け出した安藤がファウルで止められてPKに。これを安藤が右足で決めて2-0とした。流経大も直後に敵陣でのインターセプトから一瞬の動きでDFを置き去りにしたFW立花歩夢(4年=流通経済大柏高)が決めて1点を返す。だがコンセプトのゴールを隠す、シュートを打たせないという部分を徹底する高校選抜を飲み込むことができない。
2本目、阿部をCB橋本恭輔(青森山田高→新潟医療福祉大)へチェンジした高校選抜は三國と飯島の右サイド、鳥海と杉山の左サイドでそれぞれ相手に縦に行かせないこと、クロスを上げさせないことというテーマをよく実行。また住永と金子のボランチラインが簡単には相手を前進させない。風下になったことで攻められる時間帯も続いたが、住永の展開から町野を経由して杉山が決定的なクロスを上げるなど、3点目のチャンスも作り出した。
15分には廣末、町野、飯島に代えてGK山ノ井拓己(静岡学園高→福岡)、左MF松本泰志(昌平高→広島)、FW伊藤龍生(米子北高→鹿屋体育大)を投入。金子がインターセプトから右足シュートを打ち込むと25分には再び金子のインターセプトから伊藤がGKと1対1に。これは決めきれなかったが、好反応を見せた山ノ井やカバーリングでピンチの芽を潰した橋本の好守などによって同点ゴールを許さずに2本目を終えた。
3本目、メンバーを全て入れ替えた流経大に対し、高校選抜は三國、橋本、杉山に代えて右SBに常盤悠(尚志高→新潟医療福祉大)、左SBに渡邊泰基(前橋育英高3年)、ボランチに大塚諒(前橋育英高→立教大)を投入。金子をCBへ移した。住永が相手GKまでプレッシャーをかけるなど周囲に影響を与えるようなプレーも見せる高校選抜は10分、住永のインターセプトから安藤が繋ぎ、鳥海がフィニッシュ。そして15分には左CKのクリアボールを拾った鳥海がゴール方向へ入れたクロスを佐藤が頭で合わせて3-1とした。20分に安藤を町野へ入れ替え、決定機もつくった高校選抜は相手にPAまでボールを運ばれながらも決定打を打たせずに快勝。格上から白星をもぎ取り、欧州遠征へ向けて弾みをつけた。
試合後、住永は「(全国の高校サッカー部員たちの代表という)責任があると思う。世界への切符は一人ひとりが取ったものであると思うんですけれども、それは自分だけの思いではなくて他の選手たちの思いとか、選考会へ来ていた人の思いとか考えたら軽いプレーはできないと思うし、軽いプレーをしているようじゃ先はないと思うので、目の前の一戦に向けて厳しく激しくやっていきたい」と誓った。目標は4年ぶりとなるデュッセルドルフ国際ユース優勝、そして18人全員が成長して帰ってくること。多くの思いを背負って、高校サッカーの代表選手たちが欧州で挑戦する。
(取材・文 吉田太郎)
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