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第3GKから“下剋上”果たした川島「34歳でサッカーにより純粋になっている」

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日本代表合宿で笑顔を見せるGK川島永嗣

 3月23日のW杯アジア最終予選UAE戦(2-0)に先発し、W杯予選としては15年6月16日の2次予選シンガポール戦以来、約1年9か月ぶりに守護神の座を奪い返した日本代表GK川島永嗣(メス)は、クラブでも第3GKから正GKに上り詰める“下剋上”を果たした。

 昨夏、第3GKとして加入したフランス1部メスでは出場機会に恵まれない苦しい時期を過ごしたが、日本代表としてピッチに立ったあとはチームでの状況も好転。4月18日のパリSG戦でフランスリーグデビュー飾ると、そこから最終節までの6試合中5試合でゴールマウスを守った。

「試合に出られたことによってゲームでの緊張感や、どういう判断をするかという部分はやれた部分はある。やればやるほど感覚的には良いものを出せると思うし、やりやすさはあると思う」と、自信をのぞかせた。

 自身の海外キャリアの中でベルギー、スコットランドに続く3つ目のリーグだったフランスでは、過去最高のリーグレベルであることを感じながらプレーした。

 2部から1部に昇格したばかりだったメスでは「とにかくみんなで頑張ってブロックをつくって、カウンターや少ないチャンスでどれだけ点を取れるかというサッカーだった」というが、リーグ全般的には、ボールをつなぎながら攻守いずれも戦術的で組織的なサッカーをするチームが多かった。

「ベルギーは個の力での勝負だったし、スコットランドはフィジカルだった。フランスはサッカーの質、レベルは今までやったリーグの中でも上」だという。

 日本代表では今回、ハリルジャパンで正GKの座をつかんでいたGK西川周作(浦和)がメンバー外となるサプライズがあった。しかし、川島にとってはすべてが受け入れるべきこと。「メンバー選考から見ても、このチームで保証されるものは何もない。常に自分が良いコンディションであることを示していかなければならない」と気を引き締める。

「ここ2年くらいは、いろいろな経験をさせてもらっているし、いろいろなことを考えさせられた。年齢的には34歳かもしれないけど、自分の中ではサッカーに対する気持ちがより純粋になっている」と、目を輝かせながら大一番のイラク戦に向かう。

(取材・文 矢内由美子)

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