beacon

[関西U-16~Groeien~]4か月かけて戦術理解深めて来た大阪桐蔭が3-0勝利!3位・初芝橋本はV遠退く一敗に

このエントリーをはてなブックマークに追加

先制点を決めた大阪桐蔭高MF才木陽太

[8.24 関西U-16 G1リーグ第8節 大阪桐蔭高 3-0 初芝橋本高 伊勢ヴィレッジB]

 24日、関西地域の強豪校が長期にわたるリーグ戦を通して、U-16選手の育成および指導者のレベルアップを図る「関西U-16~Groeien(育てる)~2017」は上位リーグのG1リーグ第8節を実施。6位・大阪桐蔭高(大阪)と3位・初芝橋本高(和歌山)との一戦は、後半8分にMF才木陽太が挙げた先制点を皮切りに3点を奪った大阪桐蔭が3-0で勝利した。

 4月からの4か月間、チームとして積み上げてきた大阪桐蔭の成果が結果として表れた試合だった。しかし、前半については意図したサッカーができたとは言い難い。上位争いを繰り広げる勢いそのままに、FW大谷澪紅とFW梶田梨生が前線から積極的なプレスを見せた初芝橋本に圧倒され、「後ろから繋ごうとするDFと前でボールを待った攻撃陣がかみ合わず、選手同士の距離が遠くなってしまった」(金正智也コーチ)。

 チャンスを作ろうにも、ボールが思うように繋がらず苦しんだ攻撃同様、守備でも初芝橋本のMF白川敦貴と高谷和希にサイドを崩されるシーンが散見。前半36分には、白川のクロスから、大谷にボレーシュートを許すなど失点してもおかしくないピンチが続いた。

 しかし、「前半のうちに得点を獲らなければダメだった。後半は足が止まって、受け身になってしまった」と森永和樹コーチが反省を口にしたように、残り45分を切ってからは勢いが低下した初芝橋本とは尻目に、大阪桐蔭はハーフタイムに選手の距離感を修正。ボールを奪ってから素早く攻撃陣にボールを展開すると、そこからはキープ力のあるMF下野虎太郎と才木の両翼のタメから、周囲の選手が積極的にゴールへと飛び出し、チャンスを伺った。

 相手エリアでプレーする時間が増えると、下野と才木の良さもより活きてくる。前半は高い位置で受けても周囲のサポートが少なく、厚みのある攻撃を繰り出せずに終わったが、金正コーチが「元々、2人は能力が高い選手ですけど、身体が小さいので、孤立すると何もできなくなってしまう。後半のように周囲と動きながらプレーした方が彼らの良さが活きる」と話すように、後半からは周囲と連携でゴールに迫る場面が増加。後半8分には、安藤が中盤から入れたフィードに才木が相手DFの背後で反応すると、ドリブルからGKとの1対1に持ち込み、冷静に先制点を奪った。

「1点が獲れれば、僕らは波に乗れる(安藤)という大阪桐蔭は続く11分にも、右サイドを抜け出した安藤のパスから下野が2点目をマーク。13分には、右サイドを抜け出した下野がゴール前にパスを入れると、ラストは左サイドから中に絞ったFW岡田真知が豪快な一撃を決めて、リードは3点差に。以降は危なげない試合運びで、スコアを保った大阪桐蔭が3-0で勝利した。

「勝つことよりも、トップチームがやろうとしていることを1年生のうちに学んで欲しい」。金正コーチがそう話すように、大阪桐蔭はグロイエンをトップチームの戦術理解度を深める場として活用してきた。選手に実戦経験を積ませるために、交代枠をフル活用する試合も多く、上位勢との試合での敗戦や、理想とするサッカーができない試合もあったが、「ようやくここ最近ちょっとずつ良くなってきた」(金正コーチ)。選手も少しではあるが、成長を感じており、「まず内容を良くすれば、自ずと結果がついてくる」と安藤が口にした通り、この日の試合は内容の改善が勝利という結果に繋がった試合だった。

 一方、下位に低迷した過去2年とは違い、ここまでは上位に食い込んできた初芝橋本にとっては手痛い一敗になった。初芝橋本のOBで今年、大阪体育大を卒業し、指導者としての道を踏み出した森永コーチは、「前半はきっちり守って、後半うちがバテた所をきっちり突いてきた。向こうの方が一枚、上手だった」とコメント。「勝負どころで決めきる選手や、勝負どころで守れる選手が今後、上のステージに行ける。桐蔭の選手は大事な所で決めて、大事な所で守れていた。選手にとっては良い勉強になったと思う」と続けた。

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
関西U-16~Groeien(育てる)~2017特集ページ

TOP