オーストラリア代表は、8月31日に行われたロシアW杯アジア最終予選にて、日本代表に0-2で敗れた。この結果、オーストラリアが自力でW杯出場権を勝ち取るためには、ホーム・メルボルンで行われるタイ代表戦で圧倒的な勝利を収めるしかなくなった。

　アジア最終予選における最大のライバルを相手に敗戦を喫した“サッカルーズ”(オーストラリア代表の愛称)。一体、何がいけなかったのか。オーストラリア『ヘラルド・サン』紙が、元代表選手にその答えを求めた。

　元オーストラリア代表GKのマーク・ボスニッチ氏は「やられたね。日本代表GK川島永嗣がピンチを迎えたシーンはなかったんじゃないかな。私から見て、日本の選手たちは非常にうまくスペースを埋めていたと思うよ。我々の戦い方をとてもよく理解していたようだ。これは我々が抱えるいくつかの問題の1つだね。はっきり言って、予想を大きく下回る出来だった。残り4～5分のところでFWトミ・ユリッチとFWティム・ケーヒルを起用して、ペナルティエリアにクロスを入れる。これを繰り返したんだ。残念ながら、その精度は低かったけどね」と失望感を露わにした。

　同じく元代表MFのロビー・スレーター氏は「我々はこの夜、優れたチームに完敗を喫した。いくつかのことがあったが、とにかく我々は今夜、負けたんだ。彼ら(日本代表)はこのグループで最高のチームであることを自ら証明したということさ」と語る。

　2人の元代表は、日本代表のスカウティング力や強さを認めた上で、敗因として「スピード」を挙げる。
スレーター氏は「中盤のスペースを支配できた時間帯はあったんだ。だけど、そこでのスピードが十分じゃなかった。1つの動きをするたびに2、3、4回と、もたもたボールタッチを繰り返していたんだ」と連係におけるスピード感のなさを指摘する。

　ボスニッチ氏も「切り替えがあった時、素早くボールをベストプレーヤーに送れれば、それだけ時間とスペースが生まれてビッグチャンスになる。だが今夜、日本はとてもうまくスペースを埋めていたね」と攻守の切り替えのスピードに注文を付けた。

　2人の元代表の言葉を裏付けるように、日本代表戦に先発出場したFWロビー・クルーズは以下のように語っている。

「我々はポゼッションでは支配していたが、ボールを素早く動かすことができなかった。ゲームプランでは動き回って前線にボールを入れることになっていたが、我々は4、5回のボールタッチをしていた。ボールを素早く運べなければ、そこまで前線に送ることはできないし、なにより相手にとっては、とても守りやすくなってしまう。日本は引いて守り、我々はロングボールを好んで使った。この流れは分かっていたものだ。その後はがっかりしたね。不意打ちを浴びせてきたんだ。彼らはよく守っていたし、正しい戦術だと思う。我々としてはもっと勢いをつける必要があったんだ」

　ボールポゼッションに成功しながら、効果的な攻撃を繰り出せぬまま、不意打ちを受けたオーストラリア代表。スピードを取り戻せるかが、9月5日に行われるタイ代表戦のポイントとなるだろう。

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