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“清武世代”以来のキャプテン就任…町田MF井上裕大「行政を動かすには結果が必要」

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町田の新主将に就任したMF井上裕大

[3.4 J2第2節 町田3-2大宮 町田]

 プレーオフ圏内の6位以内に入り、“結果”で地域を動かす――。J1クラブライセンスを持たないFC町田ゼルビアだが、今季のモチベーションは明白だ。史上初の開幕2連勝を果たしたチームを新主将として引っ張るMF井上裕大は「初めて数字で目標を立てたので、結果を残さないといけない」と前を見据えた。

 加入2年目の井上は今季、MF李漢宰に代わってチームの新キャプテンに就任した。シーズンを通してアームバンドを託されるのはMF清武弘嗣らと同期だった大分トリニータU-18所属時以来、約10年ぶり。「当時は清武とコテ(MF小手川宏基)がトップチームで抜けて自分に回ってきたんですけど……」と謙遜するが、どっしりと構えながら笑顔を絶やさないキャラクターは“大役”にぴったりだ。

「キャラ的に良くも悪くもいじられるんで、締めるところは締めないといけないんですけど、チームの雰囲気が良くなるのは良いかなと思います。メリハリを付けていければいいですね」。そう自己分析した28歳が支えている町田は、クラブ史上初の開幕2連勝スタートに成功。第2節の大宮アルディージャ戦では、前半の2点リードをわずか3分間で返されるという苦しい展開となったが、そこから見事に立ち直っての勝ち越し劇を展開した。

 試合で披露しているチームの勢いは、練習から継続しているものだという。「練習の雰囲気が良いですし、チームのためにみんな全力を出してやっているのが一番の要因。飾ることなく、町田らしく、泥臭くやるのが勝ち点につながっている」。主将の目から見ても現在のチームは手応えを感じられるものとなっているようだ。

 そんな井上は2012年に大分、13年と15年に長崎で昇格争いを経験。しかし、町田での上位争いは異なる心境で臨んでいる。「一つ上の順位は目指さないといけないし、やっている限りはJ1を目指したい。ただ、ライセンスがないというのもあるので……」。ホームの町田市立陸上競技場は収容人員がJ1基準不足。練習場にも不備要素があるため、このままでは結果にかかわらずJ1に昇格することができない。

 しかし、だからといってピッチでのパフォーマンスをないがしろにする気はない。「6位以内という結果を残すことが、町田市とか行政を動かすのに必要になると思う。そういった目標に向かってやっていることがモチベーションになっている」と状況を前向きに昇華し、チーム全員で闘う活力としているようだ。

 クラブは昨秋、2020年にJ1ライセンスを取得するという目標を公表した。「街に出て行ったほうが良いと思うし、PRもしたほうが良い。貢献していることを伝えないといけない。行政を動かすためにも率先してやっていかないといけない」。チームの主将として、上を目指すサッカー選手として、町田の新キャプテンはピッチ内外で存在感を見せようとしている。

(取材・文 竹内達也)

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