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宮本先制!田部井続いた!日本高校選抜がデュッセルドルフ国際初戦で強敵に快勝!

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前半25分、日本高校選抜MF宮本優太が先制ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[3.29 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ スタンダール・リエージュ 0-2 日本高校選抜]

 日本高校選抜が白星発進! 第56回デュッセルドルフ国際ユース大会が29日に開幕し、日本高校選抜はベルギーの名門、スタンダール・リエージュと対戦。MF宮本優太(流通経済大柏高→流通経済大)とMF田部井涼主将(前橋育英高→法政大)のゴールによって2-0で勝った。日本高校選抜は31日の予選リーグ第2戦でエバートン(イングランド)と戦う。

 全国4,000校を超える高校サッカー部の代表選手たちが“世界”での優勝へ好スタートを切った。出発前のミーティングで平野直樹監督(履正社高)から「前後際断。今できることを、ベストを尽くしてほしい」とメッセージを受けた日本高校選抜。そして、代々受け継がれているキャプテンマークに主将の田部井が名前を入れて「高校サッカーの代表として絶対に勝ちましょう」と挨拶し、決戦のピッチへ向かった。

 4-4-2システムを組んだ日本の先発はGKが薄井覇斗(流通経済大柏高→流通経済大)、4バックは右SB後藤田亘輝(前橋育英高→青山学院大)、CB生駒仁(鹿児島城西高→横浜FM)、CB蓑田広大(青森山田高→法政大)、左SB角田涼太朗(前橋育英高→筑波大)。中盤は田部井と宮本のダブルボランチで右SHが井上怜(市立船橋高新3年)、左SHが菊地泰智(流通経済大柏高→流通経済大)、2トップはいずれも昨年の経験者である町野修斗(履正社高→横浜FM)と飯島陸(前橋育英高→法政大)がコンビを組んだ。

 序盤、生駒や蓑田がボールサイドの攻防で強さを発揮するなど相手に決定的なチャンスを作らせなかった一方、日本も相手の守りを崩すシーンがなかったが、9分にDFのクリアミスを拾った町野のヒールパスから菊地が左足シュート。16分には左サイドを抜け出した飯島とのコンビネーションから菊地がクロスを上げ、中央の町野がヘディングシュートを放つ。

 中盤でボールを奪い切るシーンが増え、町野や菊地を起点にシュートシーンを増やした日本だが、前がかりになった背後を突かれる形でスタンダール・リエージュにチャンスを作られてしまう。25分ハーフの前半終了間際にはサイドから立て続けにクロスを上げられてシュートまで持ち込まれた。

 個々の技術力高く、サイドにスピードのある選手もいたスタンダール・リエージュに苦しめられた。先制されていれば、相手に飲み込まれていた可能性もある。それでもGK薄井が飛び出してパンチするなど、全員でピンチを凌いだ日本が前半終了間際の25分に先制点を奪う。角田の左スローインを町野がそらす形で菊地がエンドライン際へ抜け出すと、その菊地がノールックでペナルティアーク方向へラストパス。これに走り込んだ宮本が1タッチで先制点を流し込んだ。
 
 菊地が「ペナの長いライン。前がかりになった時、アイツ(宮本)は大体あそこらへんにいるので」と言えば、宮本は「(菊地)泰智と(流経大柏で)3年間やってきてあそこでボールが来るのが分かっていた。来るかなと思って走り込んだところでボールが来たので合わせるだけでしたね」と振り返る。流経大柏のコンビの見事な連係から、「(自分が最初にゴールを決めるとは)予想していなかった。あそこまでみんなが頑張ってくれたのでボールが来た」という宮本の一撃によって1-0で試合を折り返した。

 ハーフタイムに平野監督から「(なんでもかんでも)全力で行きすぎないように。ここぞという時に100で行くように」と指示を受けた日本は、後半7分に貴重な追加点を奪う。後藤田の右スローインから、相手の集中力が切れたところを見逃さなかった田部井がバイタルエリアへ入り込むと、相手GKの位置をよく見てニアサイドへ左足シュートを叩き込む。

 これで2-0とした日本は、視野が狭まっていた前半に比べて落ち着いたプレー。同時に、前線からの献身的な守備を止めない。13分に井上をMF田中雄大(桐光学園高→早稲田大)に代えたのをはじめ、2トップを荒木駿太(長崎総科大附高→駒澤大)と佐藤颯汰(日章学園高→北九州)へスイッチ。運動量を落とさずに相手のミスを誘ってボールを奪い続けた日本は後藤田、角田の両SBが効果的な攻め上がりを見せるなど流れを渡さない。

 田部井の左足FKがゴールマウスを叩くなど3点目を奪うことはできなかったものの、最後まで要所を締めた日本は2-0で快勝。平野監督は「安定感を欠くところもあった」と引き締めていたものの、まず大事な初戦を制した選手たちを賞賛し、宮本は「失点もしていない。自分たちにも自信がついたと思うので、これからもっともっと悪いところを直して勝っていきたい」と語った。昨年は開幕2連勝を飾りながら、その後勝ちきれない試合が続いて予選リーグ突破を逃している。それだけに、一戦必勝、そして「前後際断」。初戦の勝利は忘れて、エバートンとの第2戦勝利に集中する。

(取材・文 吉田太郎)
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