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U-19代表候補合宿初参加のMF滝が鮮烈アピール。指揮官驚く順応性も披露

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前半38分、U-19代表候補MF滝裕太が右足で3点目のゴール

[5.30 練習試合(第1試合) U-19日本代表候補 3-1 U-19大学選抜]

「こんなにスムーズに攻守においてチームに入っていけるというのは、ちょっと驚きましたね」。U-19日本代表の影山雅永監督はチームの活動に初めて参加したMF滝裕太(清水)のプレーを称賛していた。

 昨年、U-18日本代表に招集された滝だが、その際はチーム事情で辞退している。だが、小柄な万能型アタッカーは、対外試合で初めてコンビを組む選手たちと非常にスムーズなパス交換。そして持ち味のドリブルでも魅せた滝は、1得点1アシストの活躍で鮮烈アピールをしてのけた。

 前半30分に左SHとしてピッチに放たれた滝は「一回前も呼ばれて辞退とかあって、今回こそは来れたので、自分の全てを出し切ろうと思って試合に入りました」。早速、投入直後に左中間から得意のドリブルでPAへ切れ込む。相手DFが遅れてチェックしたことで倒れかけたが、すぐに体勢を立て直すと、FW安藤瑞季(C大阪)へのヒールパスで同点ゴールをアシストした。

 さらに38分にはMF喜田陽(C大阪U-18)のスルーパスで完全に抜け出すと、GKとの1対1から右足シュートをゴールへ流し込んだ。「あれはもう前のパスが全てですね」とパスを出した喜田を讃えていたが、代表定着を目指すMFにとっては1チャンスをものにできるかどうかが重要。それを決めきったことについては「落ち着いて流し込めたので、入って良かったですね。常に上を目指したいと思っていて、(今年から)プロになって試合にもルヴァンにもちょっとしか出れなくて悔しい思いがあったので、久々の試合で爆発してやろうというのはありました」と自身の活躍を素直に喜んでいた。

 得点・アシストシーンが目立ったが、それだけではない。左右の両SHを務めた60分間でSBや前線の選手たちとのパス交換で局面を打開したり、連動した守備によってボールを奪い取って速攻に移すなど、むしろ攻守における連動性、そして順応性の高さでコーチ陣を驚かせた。

 それについて滝は「コミュニケーションとかも原大智とか部屋一緒で『こういうプレーをした方が良いよ』とアドバイスしてくれていたので、とりあえず守備はガンガン行くとか、1タッチプレーも『近くにいるから』と言ってくれたりしていた」。アドバイスしてくれたFW原大智(FC東京)との好連係も披露。そして「求められているものは自分はドリブルでどんどん行くことだと思っていたので試合でそこをまず出せたのは良かったと思います」と求められている仕掛けの部分も発揮できたことに胸を張った。

 ただし、後半終盤はボールに絡めない時間帯があり、チームが苦しい時にキープして時間を作ることなどができなかったと感じている。残り2日間、よりチームメートたちを知り、連係を高めて武器でアピールすること。訪れたチャンスを逃さずに次へ繋げ、U-19代表の戦力になる。

(取材・文 吉田太郎)

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