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経験者は語る…札幌FW都倉「ボールを回し続けなければならないこともある」

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2年前に投稿したブログをあらためて消化したコンサドーレ札幌FW都倉賢

 コンサドーレ札幌FW都倉賢は29日、自身の公式ツイッター(@tokurasaurus)で、日本代表がポーランド戦の終盤で見せたボール回しについて言及した。都倉の所属する札幌は2016年J2最終節、J1昇格が間近となった0-0の状況で同様のプレーを行っていた。

 ツイッターで投稿されたのは、自身の公式ブログのURL。「昨日の日本代表と同じようなシチュエーションになった2年前の最終戦の気持ちをブログで書いてました!」。J2優勝とJ1昇格を決めた16年J2最終節のツエーゲン金沢戦直後に思いを綴っていた、『ラスト5分について思うこと』と題された記事だった。

 試合前の状況としては、札幌は引き分け以上でJ2優勝(同時にJ1自動昇格)が決まる一方、相手の金沢は自動降格がかかっているという形。だが後半途中、金沢の残留争いのライバルだったギラヴァンツ北九州が同時刻開催で2点のビハインドを負い、金沢は引き分け以上で自動降格を免れる可能性が高いという流れとなった。

 そこで後半40分ごろ、札幌のビルドアップに対して金沢がプレスをかけず、札幌ドームがざわざわとする中、札幌は自陣でボールを回し始めた。「その状況で敢えてリスクを負ってコンサドーレはゴールに向かう必要は全くなくなりました。なぜなら勝点1を積み重ねれば優勝&昇格だからです」

 そのまま試合は終了。この流れには賛否もあったが、都倉は思いを明かしていた。「個人的にはこの価値(優勝&昇格)と天秤にかけてラスト5分にリスクを負うメリットが見つかりませんでした」。全42試合のラストマッチ。「ここまでシーズン通して戦ってきた選手や仲間でしたらみんな同じ気持ちだったと思いますし、実際にベクトルが合ったからこそのラスト5分だったと思います」と振り返った。

 さらに強調したのは「ただ一つ言えることは選手は常に目標達成の為に最善を尽くしているということ」。リーグ戦での目標設定は当該試合の結果だけでなく、その上位に優勝と昇格がある。「その方法論は様々ですが、時には限界まで走る事もあれば、最大限の精神力でプレッシャーと戦う事も、頭をフル回転させなければならない時もあります。そして最後の5分間ボールを回し続けなければならない事もある」と記している。

 今回の日本代表は0-1でビハインドを負っており、状況が異なる部分もある。また決勝トーナメント進出の可否がコロンビア対セネガルの結果に委ねられたということで、上記のケースでは金沢側のシチュエーションに近いと言える。だが、グループリーグの目標が当該試合の結果にとどまらず、突破という上位目標があったという点は札幌とも同様であろう。

 なお、都倉は「42試合戦ってきたプロセスと、J2のどのチームよりも上に立ち続けたと言う誇りを胸に、来年はもっと成長した姿を見せていきたいと思います!」という意気込みでブログを締めた。あれから1年半。札幌は昨季、J1を史上最高位の11位で残留し、今季は5位とさらなる好調を継続。“ボール回し”で勝ち取ったトップカテゴリの舞台で、堂々とした闘いぶりを見せている。

 ブログの全文は(http://www.tokuraken.com/diary/4703.html)から。

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