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「これが、THIS IS TOMIICHI」。富山一は“努力の”先輩FW西村の姿勢を伝統に

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富山一高は先輩FWの姿勢を見習ってさらなる進化を目指す。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.9 総体3回戦 富山一高 3-0 長崎日大高 鈴鹿]

 富山一高の大塚一朗監督が「良い伝統として伝わって欲しい」と感じていることがある。富山一2年生だった13年度に選手権日本一を経験し、翌年もエースとしてチームを牽引したFW西村拓真(現仙台)は昨年、ルヴァンカップのニューヒーロー賞に選出され、今年はJ1で得点ランキング6位タイの8得点とさらなるブレイクを果たしている。

 西村は高校時代から“努力家”として話題になっていたプレーヤー。大塚監督は高校時代の西村について、「(メニューで)10本走った後に『おかわり』だと。自分が納得するまで練習を終わってくれなかった」と振り返る。年代別日本代表に選出されていなかったが、努力する才能も評価されて仙台入り。そして4年でエース級のプレーヤーに進化している。

 西村の高校時代、富山一高グラウンドで練習するFCひがしに所属する中学生だったFW小森飛絢(3年)はその姿を記憶していた。FCひがしは、富山一高の練習後の夜7時から練習をスタート。「自分たちが練習している間も一人ずっとシュートしていたり、誰やろと思ったら西村さんだった。そういう人が活躍するんだなといい刺激になりました」。努力が花開いているところを目の当たりにしている後輩たちは、自分たちも努力で未来を変えていく。

 大塚監督が「これが、THIS IS TOMIICHI」と語る姿勢。「もっと声出して身体張ってチームを勢いづけたい」(CB中田青主将、3年)、「ゴールに直結するようなプレーをしたい」(小森)など、上を目指す選手は先輩に負けないくらいの日々を送ることができるか。インターハイで過去最高タイのベスト8進出を決めた富山一だが、結果を残した夏の後も満足することなく努力を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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