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[MOM2600]前橋育英FW室井彗佑(3年)_桐光相手にファインショット3発!!

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前半アディショナルタイム、前橋育英高FW室井彗佑が右足で2点目のゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.26 プリンスリーグ関東第10節 桐光学園高 2-5 前橋育英高 桐光学園高G]

 前橋育英高はインターハイ初戦で大津高に0-3で敗戦。プリンスリーグ関東でトップの得点力を持つチームは、冬夏連覇を狙って乗り込んだインターハイを無得点で後にした。FW室井彗佑(3年)は「悔しかったですし、公式戦でああいう無得点はなかったので、前線はみんな悔しいと言っていた」と振り返る。その悔しさをぶつけた桐光学園高戦で室井が圧巻の3得点を記録した。

 まずは前半21分、左中間への飛び出しでMF秋山裕紀(3年)のロングパスを引き出した室井は、遅れて対応したDFへ仕掛け、シュートコースを自ら作り出してから右足を振り抜く。コントロールされたシュートを見事に逆サイドのゴールネットに沈めて先制点。さらに1-1の前半アディショナルタイムには、敵陣中央でボールを受けると、咄嗟の判断でボールを浮かせてDFをかわす。そして、落ち際を右足で叩いたシュートがゴールネットに突き刺さった。

「浮かせたのは咄嗟に。GKの位置をあまり見ていなかったんですけれども、とりあえず打とうと思って打ったら入った」。いずれも素晴らしいゴールで2得点。止まらない室井は、4-2の後半終了間際に3点目を奪う。右コーナー付近でのボールキープからDFと入れ変わってゴール方向へ突進。そして、角度のほとんどない位置から左足を強振する。豪快な一撃がゴールを破り、ハットトリックを達成した。

 インターハイではDFラインの背後へ抜け出す動きが少なく、山田耕介監督から指摘されていた。その山田監督はこの日対戦した桐光学園高のスカウティングをした際に、スペースへの動きが鋭い相手MF阿部龍聖を例に上げ、「こういう動きのできる選手がいれば、ウチは強くなるぞ」と話したのだという。室井は昨年度の選手権得点王である先輩FW飯島陸(現法政大)の動きをイメージ。「自分が近づけたらいい」と臨んだ試合で抜け出しからのゴールを含めて3得点を叩き出した。

 この日はミドルシュートを枠に飛ばし、ゴール前ではわずかなスペースを突いて決定的なシュートを打ち込んだ。プロ入り濃厚のエースFW榎本樹(3年)に注目が集まるが、動き出し、ドリブルのキレ含めて、室井も対戦相手にとって非常に怖い存在であることは間違いない。「自分が点獲ってチームを楽にしたいと思っています」と語るFWが、プレミアリーグ初昇格、選手権連覇を目指すチームの牽引役になる。

(取材・文 吉田太郎)
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