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FC東京U-18を3-0撃破!プレミア残留決めた清水ユースはJユースカップで全国2冠に挑戦

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前半5分、清水エスパルスユースMF丸山優太朗(20番)が先制ゴール

[10.8 高円宮杯プレミアリーグEAST第15節 FC東京U-18 0-3 清水ユース 東京ガス武蔵野苑多目的G]

 8日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグEAST第15節で9位・FC東京U-18(東京)と4位・清水エスパルスユース(静岡)が激突。清水が3-0で快勝し、3試合を残して8位以内と来季のプレミアリーグ残留を決めた。

 清水は前日7日にトップチームが磐田とのダービーを5-1で快勝。その深夜にはユース出身のFW北川航也が日本代表に初選出された。加えて、U-16日本代表のMF成岡輝瑠(1年)とDF田島詳基(1年)がAFC U-16選手権制覇とグッドニュースの連続。「『今度はオレらがやってやる』という雰囲気があった」(平岡宏章監督)というチームは立ち上がりからFC東京を飲み込んだ。

 前半5分、右SB望月勇伸(3年)のパスを右サイド深い位置で受けたMF青島太一(2年)が中央へピンポイントクロス。これをMF丸山優太朗(2年)が頭でゴール右へ押し込んで先制点を奪う。清水は序盤、右サイドでキレキレの動きを見せていた青島のドリブル突破、クロスからチャンス。13分にも青島が獲得した右CKを丸山が左足で蹴り込むと、ニアの青島が頭で決めて2-0とした。

 怪我でエースFW齊藤聖七(3年)が離脱中の清水だが、監物が「凄く雰囲気が良く、個とかそんなに強くないんですけれどもチーム一丸となってやれているところがある。それが今、守備が安定していたり、これだけ点が取れていることに繋がっていると思うし、凄く仲が良いので励まし合ったり、切磋琢磨して成長できているかなと思っています」というように、夏のクラブユース選手権優勝後も雰囲気良く戦うことのできているチームは試合の流れを序盤で自分たちに傾けた。

 一方、昨年、プレミアリーグチャンピオンシップと日本クラブユース選手権で優勝しているFC東京だが、個性派揃いの3年生が卒業し、MF平川怜(3年)とFW久保建英(2年、現横浜FM)は一足早くトップチームへ。U-23チームも兼ねてのシーズンは昨年、一昨年よりもさらにタフなものになっており、降格圏内の9位に沈んでいる。加えて、この日はすでに1年生ながら主力の年代別日本代表4選手が不在。ピッチに送り出された2、3年生たちの奮起が期待されたが、気持ちの入りすぎている選手と、逆に硬くなっている選手もいてどこか噛み合っていなかった。

 ボールを保持して狙い通りのワンツーから右SB高橋亮(3年)が右クロスを上げたり、いずれも戦う姿勢の伝わるプレーを見せていたFW寺山翼主将(3年)と10番MF芳賀日陽(3年)が強引に突破してゴールに迫るシーンもあった。だが、最終ラインからのフィードのミスなども目立つ展開に。上手くいかないことも多い試合となったが、それでも0-2の後半開始から2人を入れ替えたFC東京はホームのサポーターの声援の中で必死に反撃する。

 だが、清水はスピードを活かしたカバーリングや球際の強さを見せるCB栗田詩音(3年)とキャプテンマークを巻いた大型CB監物拓歩(3年)中心に距離間の良い守りを維持し続ける。そして、ゴール前では絶対的な信頼を得ているクラブユース選手権MVPの守護神、GK梅田透吾(3年)が君臨。ほぼ隙のない守りでFC東京の攻撃を封じていた。

 FC東京は後半19分に芳賀のラストパスから交代出場のMF鈴木智也(3年)がチャンスを迎えるも左足シュートは枠外。逆に清水は19分、相手のミスパスを右サイドでインターセプトした青島を起点にショートカウンターを発動する。青島からMF佐野陸人(3年)を経由してPAへ送られたボールをFW川本梨誉(2年)が右足で決めて3-0。意地を見せたいFC東京は攻め続け、右ロングスローからCB湯本創也(2年)の放ったヘディングシュートがポストを叩くシーンがあったが、1点を奪えないまま試合終了を迎えた。

 清水は試合前に「ここで残留を決めよう」と選手たちを鼓舞していた平岡監督も、「立ち上がりに良い入りができた。そしてウチが今年得意としている守備を集中してやってくれたと思います」と頷く内容で快勝。この後、チームはプレミアリーグの中断期間に開催されるJユースカップで2冠に挑戦する。

 梅田は「今、プレミアの優勝からは遠ざかっているので、Jユースを獲ることが一番のチームとしての目標ですし、優勝できればいい」と語り、監物は「(チームは良いニュースを届けられているが)まだまだもう一個大会があるし、もっともっと上を目指して、もっと良いニュースを(静岡に)届けられたら良いと思っています」とコメントした。この日、残留へ向けて負けられなかったFC東京を跳ね返して完勝。2週間の準備期間で力をたくわえて、Jユースカップで好スタートを切る。

(取材・文 吉田太郎)
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