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[MOM2719]流経大柏MF熊澤和希(3年)_値千金の先制弾!前線の大黒柱が千葉県予選で全試合得点

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MF熊澤和希(3年)は1ゴール1アシストの活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.18 選手権千葉県予選決勝 流通経済大柏高2-0市立船橋高 フクアリ]

 最大のライバルである市立船橋高を撃破して全国高校選手権に初めての連続出場を決めた流通経済大柏高は、要所で“10番”が仕事を果たした。前半14分に先制点を決め、後半39分に追加点のアシストをしたのはMF熊澤和希(3年)だ。

 大きくて柔らかい身体に宿す高い運動能力は、飛距離の長いロングスローやヘディングの強さに表れる。精度の高いトラップや決定力のあるシュートも持っており、1年次から起用されてきた注目選手だ。前線でも中盤でも起用されており、市立船橋戦は中央に絞ってプレーする左の攻撃的MFとして先発出場。ゴールとアシストでチームを勝利に導いた。

 先制点は、右CKをゴール正面で味方がシュートしたこぼれ球を、ファーサイドから叩き込んだ。「ちょうど立っていたところにボールが来て、ラッキーだった。ただ、グラウンダーで狙うことは決めていた。(上に)ふかしてしまうと、チャンスがなくなる。下に打てば、相手に当たって入ることもあるし、こぼれ球が味方に行くこともある」と低い弾道には狙いがあったことを明かした。

 リードを得たチームは、守備を固めながら試合を進めることに成功。市立船橋高の朝岡隆蔵監督が「先制点は、相手にとって大きい。こちらが何をしても(相手はリードによって余裕を持てるので)効果が半減してしまう」と悔しがる要因になった一撃の効果は絶大だった。

 熊澤は今予選で初戦となった2回戦の東京学館戦、準々決勝の翔凛戦、延長戦まで苦しんだ準決勝の習志野戦を含めて、全4試合でゴール。それでも、熊澤は「一応、全試合で点は取れたけど、(ボールを落ち着かせて)余裕を持ってプレーする役割なのに、ミスをしてしまったり(パスをもらうために)走れていなかったりして、準決勝まで3試合とも迷惑をかけたので、決勝では絶対に勝利に貢献したいと思っていた」と謙虚に話した。

 この日は、守備でもサイドで相手の突破コースを度々封じて予測の鋭さを垣間見せた。試合終盤、市立船橋は自陣右サイドでボールを奪い返したが、FW西堂久俊(3年)が前を向いたままバックパス。連係ミスとなったボールを、熊澤が奪い取った。利き足に持ち帰られないと判断して「(相手が左利きで)右足ではクリアできないだろうと思ったので、近くの味方に落とすしかないのかなと思った」と予測。インターセプトからクロスを送り、追加点を呼び込んだ。

 熊澤は下級生のうちから能力の高さを買われていたが、固定ポジションを取り切るに至らず、交代出場が多かった一面も併せ持っている。最上級生となり、中盤、前線の大黒柱となって臨む最後の選手権で、持ち味を最大限に発揮したいところ。「昨年の借りを返せるチャンス。優勝しか狙わず、一戦一戦を大事に戦いたい」と見据えた次のステージでも連続ゴールを狙う。

(取材・文 平野貴也)
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