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[横山杯]来春にも千葉の県立校で初の人工芝化。支援に感謝の八千代は結果で応える

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八千代高は松本国際高戦で米田広大(左)が先制ゴール

[12.28 横山杯決勝リーグ第1節 八千代高 1-2 松本国際高 HASAKI SOCCER VILLAGE A面]

 八千代高は再三のチャンスを作りながら決定力を欠いて逆転負け。プレー、声でもチームを牽引するMF青木奏人主将(2年)が怪我で不在の中、失点したあとに立て直すことができなかった。

 右サイドで突破力を発揮していたMF岡村涼楓(2年)は「いつもは青木に助けられているところがある。セカンドボールを拾ってくれて声もアイツが出すんですけれども、アイツがいない時に攻撃の要としてやっていかないといけない」。出場機会をなかなか得られなかった昨年から新チームで自覚が増した岡村やFW梅原海斗(2年)、FW君波駿太(2年)、そして青木ら特にアタッカー陣について豊島隆監督も「面白いと思います」と説明。彼らを支える司令塔・MF飯村晴季(2年)やMF清水恭大(2年)ら各ポジションの選手が質を上げて来年、全国復帰、日本一に挑戦する。

 その八千代は来春、環境面が飛躍的に向上することになりそうだ。17年にサッカー部OB・後援会が中心となって「八千代高校人工芝化実行委員会」を発足。OBや地域の支援もあって、今年10月までに4100万円(クラウドファウンディングの支援金も含む)を超える募金が集まり、早ければ来春にも人工芝化される見通しとなっている。

 千葉の県立校では初という人工芝化。インターハイ優勝や選手権4強の歴史を持つ伝統校が私学や市立の強豪校に負けない環境面を手に入れることになる。2か月間ほど、校外での練習を強いられる模様だが、完成すれば充実、そして言い訳のできない環境に。飯村は「自分たちにとっては凄く嬉しいことで先輩方や地域の人が人工芝にかかわってくれている。感謝してこの1年間はやっていかないといけない」と意気込んでいる。

 過去2年間は選手権予選準決勝で市立船橋高に惜敗。ライバルを上回り、来年こそは12年度以来となる全国出場権を勝ち取る。岡村は「去年も一昨年も準決勝で市船に負けている。今年こそ決勝行って、自分たちが全国でいいところへ行きたい。(個人的には) 縦へのスピードとか裏の抜け出しとかのアクションで相手を剥がしてゴールまで行きたい」と力を込め、飯村も「(チームには)まだ甘い部分がある。引き締めて流経、市船よりも勝らないといけない。私生活から全国に出れるチームになっていかないといけない。(個人的には) ゲームを支配できるように。そのためには練習しかないので、もっと失わずに余裕を持ってできるようにしたい」と語った。

 横山杯では決勝進出が有力視されたが、失点後の課題が出て2連敗で決勝リーグ敗退が決定。ポテンシャルがある一方、力不足を感じた選手たちは、年明けに復帰予定の青木や飯村、GK関本海(2年)を中心に個、チームの力を磨いていくだけだ。3月には3日間に渡ってチーム内での試合を繰り返す「サバイバルゲーム」(豊島監督)で競争。そして、19年春完成予定の人工芝グラウンドでの成長を経て、必ず周囲の支援に応える。
 
(取材・文 吉田太郎、取材協力 スポーツマネジメント)

●【特設】横山杯 第19回全国ユース招待サッカー大会

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