[1.3 選手権3回戦 立正大淞南高0-1矢板中央高 等々力]

　どうしても1点が遠かった。1回戦の岐阜工戦(○4-0)、2回戦の那覇西戦(○6-1)と2試合で計10ゴールを量産してきた立正大淞南高(島根)だったが、前半2分に喫した失点が最後まで重くのしかかった。

　岐阜工戦で2ゴールを決め、那覇西戦ではハットトリックを達成するなど、ここまで2試合で5得点を挙げていたFW藤井奨也(3年)はこの日も両チーム最多のシュート3本を放ったが、不発。「あと1本を自分が決めることができなかった。決定機はあったのに、決めることができなくて悔しい」。特に悔やんだのは後半11分のシーン。相棒であるFW鶴野怜樹(3年)がヒールで落としたボールを藤井が右足で狙ったが、「コースが甘かった」というシュートは相手GKの好セーブに阻まれた。

「矢板中央はフィジカルも強くて、ヘディングも強かった。日本一になってもらいたい」。そうエールを送った背番号17。3回戦敗退に涙したが、全国の舞台で積み上げた5つのゴールの価値は変わらない。「自分が今までやってきたことが通用すると信じてやってきたし、3年間やってきたことは今後のサッカー人生の自信になる」と、かけがえのない経験になった。

　岐阜工戦では鶴野と藤井が2得点ずつを挙げるなど、立正大淞南の得点源を担ってきたダブルアタッカーは卒業後、そろって福岡大に進学予定。「鶴野とは去年からずっとやっていて、前線で本当にやりやすいし、分かり合える。大学でも一緒にできるので、(2人の連係を)これからもっと極めて、全国で通用する2人になりたい」。3回戦で破れた日本一への夢。リベンジの舞台はステージを変えて、まだ残されている。

(取材・文　西山紘平)

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