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アジア杯3度目の長友、大苦戦スタートも「全部想定内」

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先制点を奪われた直後、チームを鼓舞した日本代表DF長友佑都

[1.9 アジア杯F組第1節 日本3-2トルクメニスタン アブダビ]

 日本代表のアジアカップ初戦は波乱含みの幕開け。だが、3度目の大会を迎えたDF長友佑都(ガラタサライ)にとっては「全部想定内」だったという。苦しみながら勝ち点3を奪った初戦を振り返り、「アジアカップの洗礼を浴びかけたけど、これくらいで良い」と前向きに語った。

 頭にあったのは過去2回の経験だった。自身初のアジア杯だった2011年、日本は初戦のヨルダン戦で先制点を奪われ、後半アディショナルタイムにようやく追いつく形で引き分けた。だが、最終結果は優勝。大会を通してギリギリの戦いが続いていたが、「厳しい試合で戦えた」ことが栄冠を手繰り寄せたと捉えている。

 一方、自身2度目のアジア杯だった2015年の前回大会は、初戦のパレスチナ戦で4-0の大勝を挙げると、そのまま7得点0失点の3連勝でグループリーグを突破。ところが、決勝トーナメント1回戦のUAE戦でPK負けを喫してしまった。「上手くいきすぎて引き締まらず、甘い考えが出てきた」(長友)のが敗因だった。

 そして3回目、初戦を終えた長友が前向きに受け止めるのは「初めて経験する若い選手が甘くないということを学べた」からだ。細かいパスワークでの中央突破で「綺麗なサッカーをしすぎた」前半とは対照的に、「しかけたり、クロスを上げたり、ロングボールを入れたり、泥臭いサッカーを織り交ぜた」後半に逆転できたのが何よりの証拠だった。

「先制点を入れられることも想定していたし、うまくいかないこともあるが、そうなっても『ナーバスになるな』『ポジティブになれ』と試合前から伝えていた。ハーフタイムにもそう伝えて、泥臭いサッカーをしようと声をかけた。それが後半のサッカーに繋がったと思う」(長友)。

 アジア杯を知り尽くした男は「綺麗なサッカーじゃ勝てないし、そんなに僕らはうまくない」と立ち位置を指摘。「選手だけじゃなく、メディア、ファン、サッカーを愛する日本の人たち全員に気を引き締めてもらえる試合になった。これをこの先につなげていきたい」。あくまでもこれがスタート。決して奢ることなく、厳しい大会を着実に踏破していくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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