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「彼がいなければ長くプレーできなかった」…楢崎、特別な存在である“先輩”に感謝

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現役を引退した名古屋グランパスGK楢崎正剛

 常に追い掛けてきた存在だった。しかし、最高のライバルでもあったGK川口能活は昨季限りでの現役引退を発表した。そして、その後を追うように名古屋グランパスGK楢崎正剛は、スパイクを脱ぐ決断を下した。

 98年フランスW杯、06年ドイツW杯では川口、02年日韓W杯では楢崎が日本代表の正GKを務めるだけでなく、2人はともにフランス大会から4度のW杯を経験するなど、日本サッカー界を長らくけん引してきた。

 しかし、昨年11月に川口が現役引退を発表。引退試合となった12月2日のJ3第34節・相模原対鹿児島後に行われた引退セレモニーには、楢崎がサプライズで登場した。川口から「まだまだ続けてくれ」とエールを送られていたようだが、当時、現役続行か引退かを悩んでいた楢崎は「そのときは、もごもごしてしまった(笑)」と返答に苦労したようだ。

 切磋琢磨してきた相手から届けられた言葉。「その言葉が自分の中で響いて、悩んだ材料にもなった」と今後どうすべきか、より頭を悩ませることに。しかし、楢崎は現役引退を決断し、「期待に応えられなかった」と苦笑した。

 1975年8月15日生まれの川口に対し、1976年4月15日生まれの楢崎は1学年後輩に。学生時代から“先輩”のことは知っており、「中学、高校時代から全国レベルで活躍する有名な選手。常に追い掛ける立場として、見本として捉えていて、憧れでもあった」と語る。「特別な存在」と日本代表のポジションを争い、Jリーグで対戦したことで「僕も成長させてもらった」だけでなく、「彼がいなければこんなに長くプレーできなかった」と、その存在に感謝を示した。

(取材・文 折戸岳彦)
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