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全国で8戦7発! 青森山田FW田中翔太「決勝も絶対に取りたい」

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青森山田高FW田中翔太(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権準決勝 青森山田高 2-1 帝京長岡高 埼玉]

 自慢の勝負強さは埼スタのビッグマッチでも健在だった。青森山田高FW田中翔太(3年)は前半16分、右サイドを駆け上がったDF内田陽介(2年)のクロスに飛び込むと、身体をそらしながらのヘディングシュートで先制点を奪取。これで全国大会の一発勝負では8試合7ゴール。ストライカーにふさわしい働きを続け、チームを2年連続のファイナルに導いた。

「結果が出ているので、勝負強さはあるんじゃないかと自信を持ってやれている」。そう語る背番号9は今季、全国の一発勝負で華々しい活躍が続いている。夏のインターハイでは3試合すべてで得点し、高円宮杯プレミアリーグファイナルでもゴールを記録。さらに今大会でも初戦の2回戦、3回戦で連続得点を挙げるなど、圧倒的な得点力を誇ってきた。

 この日も序盤に一方的な劣勢を強いられていた中、武器としてきた勝負強さを発揮した。MF古宿理久(3年)からのスルーパスが神田に通ると、素早くマークを回避。内田からのクロスは想定より後方に入ったものの、「練習からズレたボールを合わせていたので、練習の成果が出た」というヘディングシュートをクロスバー下方に当て、見事にゴールラインを破った。

 得点直後にはアニメ『ドラゴンボール』シリーズに登場する『ギニュー特戦隊』のポーズをMF武田英寿(3年)、MF後藤健太(3年)ら4選手と披露し、埼玉スタジアムを沸かせた。「ドラゴンボールシリーズが選手権で流行ってるのかなと思って」とこれまでのパフォーマンスも参考にしたという田中。これまでは『かめはめ波』が主流だった中で「ちょっとズレたところを狙った」というユニークさも光った。

 田中のゴールが劣勢の青森山田に勇気を与え、追いすがる帝京長岡高を振り切って決勝に歩みを進めた。これで2年連続でのファイナル。もっとも、昨季はメンバー外だった田中にとっては初めての全国決勝だ。「この1年間、絶対にこの埼玉スタジアムで優勝したいと思ってやってきた」と2日後に控える夢舞台への思いは強い。

「先輩たちが優勝したのは嬉しかったけど、メンバーに入れないのは悔しい気持ちもあった」。そんな記憶を払拭するには、高校生活最後に試合に勝つしかない。勝負強さを誇る背番号9は静岡学園高との決勝に向けて、「自分も5万人のなかで点を決めたら鳥肌も立つだろうし、自分も決めたいなって思いがあった。決勝も絶対に取りたい」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】高校選手権2019

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