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クリンスマンが明かす電撃辞任の理由…クラブ側は「ビジネスライフでは許されない行動」

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電撃辞任したユルゲン・クリンスマン

 ユルゲン・クリンスマン氏は12日、自身のフェイスブックで、先日ヘルタ・ベルリン監督に就任してからわずか10週間で辞任を決した理由について語った。

 昨年11月にヘルタの監査役会に招へいされていたクリンスマン氏はそのわずか3週間後に残留争いに巻き込まれていたヘルタの新監督に就任すると、チームはその後10試合で3勝3分4敗と成績が安定。メディアに対してはヘルタの数年以内のビッグクラブ化を目標に掲げる強気発言や、自身主動と見られるクラブの冬の移籍市場での積極的な補強ぶりにも注目が集まっていた。

 しかし、そんなクリンスマン氏が、おそらく誰も予想していなかった決断を下すことに。11日のフェイスブックでの声明では「監督として私は皆の信頼を必要とするが、それは達成されなかった。特に残留争いでは団結や結束が最も重要だ。それが保証されなければ、責任を果たすことはできない。だからよく考えて、監督を辞任することにした」と伝え、クラブの考えとの相違が決断につながったことを示唆した。

 そして 同氏は12日にフェイスブックにビデオメッセージを投稿。そのなかで自身の決断についてこのように説明した。

「イタリアやフランス、イングランド、あるいはアメリカでも、(仕事の)流れは違うものだ。マネジャーがベンチに座り、踏み込んでくれば、チームの側にいて常に選手の相談相手にもなるような光景がドイツでは見慣れているだろう。私はそういうのにはもう慣れていなかった。私がとりわけ慣れ親しんできたのは監督の上司がボス1人のみのイングランドの(組織)モデルだ。2人(監督とボス)が話し合い、そして執行に至るという形だ」

「ドイツはそうではなく、このような仕事のしかたにものすごい不快感を覚えた。マネジャーがそこに座っていて、選手や審判などあらゆるテーマにコメントすることにね。ドイツでは(クラブ)内部が様々な面において(他国とは)異なる。上層部のあらゆる方々が口を挟んでくる。しかし、最終的に決断を下せるのは1人しかいない。私はそれをできるのは監督であるべきと考えているんだ」

 イングランドの監督が強化部長も兼任する“マネジャー“の権限を与えられたかったことを辞任の主な理由に挙げるクリンスマン氏。声明では「ネガティブなメッセージを伝えることになれば、印象が良くないのも仕方ない。もしそういうことなら、それを謝罪したい」と反省の言葉も口に。「もう少し時間を置いて、もっとヘルタの首脳陣とコミュニケーションを取り、すべての点において見直すべきだったかもしれない」とも語った。

 一方、当初はクリンスマン氏のヘルタの監査役員の1人への任命を推薦した、2億2000万ユーロをも超える大金を注ぎ込み49.9%のシェアを取得した投資家のラース・ビントホルスト氏もその辞任の決断に落胆の様子。13日の記者会見で「若者がこういうことをやってしまうことはあるかもしれない。だが、厳粛なとり決まりがあるビジネスライフではこういった行動は許されないだろう」と首を傾げると、「ユルゲン・クリンスマンと今後仕事を続けるのは今のところは想像できない」とも話し、クリンスマン氏の監査役員としての復帰はないと強調した。

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