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強豪校の練習施設に潜入取材。選手権静岡県予選準V、地域貢献も目指す富士市立の練習場は?

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富士山を望むグラウンドでトレーニングする富士市立高

 高校サッカーの強豪校はどのような環境でトレーニングしているのか。グラウンド、部室、サッカー部寮……。各校の協力によって、高校進学を控えた中学生たちにとっても貴重な情報を教えてもらってきたぞ。第31回は19年度からプリンスリーグ東海に参入し、選手権静岡県予選で静岡県東部勢として初の決勝進出を果たした富士市立高(静岡)の練習グラウンドを紹介する。

■10年に人工芝化






 富士市立高は、富士山を望む静岡県富士市に位置。2011年に旧・吉原商高から総合探究科、ビジネス探究科、スポーツ探究科(サッカー部の多くが在籍)の3つの探究科への学科改変と校名変更を行った。10年に人工芝サッカーコートと2面のフットサルコート、100m全天候型直走路、夜間照明等を設備された練習施設が完成。富士市立サッカー部のほか、FC Fujiジュニアユース(、4月にジュニアもスタート)、FC Fujiサッカースクール、月2度の多世代交流サッカーもこのグラウンドを活用している。

■判断力を重視。ドリブル、ショートパスで攻め勝つ







 富士市立は旧・吉原商高時代を含めて創部30年目。判断することを重視し、ピッチで判断するための要素として技術力を徹底的に磨いている。同じく富士市立高グラウンドで練習するFC Fujiジュニアユース出身者が多く、中高一貫指導で磨き上げられた技術力の高さは彼らの武器だ。選手権予選でも徹底してドリブル、ショートパスで攻めるスタイルが評価されていた。

■目標は昨年超え






 昨年度はエコパスタジアムで2試合を戦い、選手権全国大会初出場まであと1勝に迫った。今年の目標は昨年超えだ。新チームのリーダー、DF勝又大翔(2年)やMF熊谷武虎(2年)、FW座本柊音(2年)といった経験者を中心に力を積み重ねて、新たな一歩を刻む。

■地域スポーツの拠点に



 
 富士市立高の練習中には隣のフットサルコートでFC Fujiサッカースクールの小学生たちがボールを蹴っていた。そして、富士市立高の練習後にはFC Fujiジュニアユースの選手たちがボールコントロールを重視したトレーニングやミニゲーム。FC FujiジュニアユースやNPO法人富士スポーツクラブ(FC Fujiに加え、ハンドボールクラブ、テニススクール、バスケットボールスクールも活動中)の立ち上げの中心となった富士市立の杉山秀幸監督は「全国大会へ行きたいとかチームを強くしたいという奥にスポーツ文化を根付かせたいというのがある。子どもたちのサッカーをやれる環境を作ってあげたい」と語る。

■地域貢献と静岡制覇へ




 
 富士市立高のコンセプトが地域貢献。学校の充実した施設を活用するなど、スポーツの力で地域を盛り上げるための活動も行っている。その中でサッカー部は、一年一年成長曲線を描き続けて静岡制覇、全国大会出場へ。選手権予選の活躍によって地域が喜んでくれたことを実感したチームは、次のステップへ向けて努力を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)

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