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「小川優介が、凄い」。系譜受け継ぐ昌平の技巧派ボランチ

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抜群の技術、判断力を見せる昌平高MF小川優介は上のステージへ駆け上がるか。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[2020シーズンへ向けて](※昌平高の協力により、アンケート形式で取材をさせて頂いています)

小川優介が、凄い」。

 昨秋以降、この言葉は昌平高(埼玉)のコーチングスタッフたちとの会話の中で、当たり前のように出てくるようになった。新3年生MF小川の登録は身長166cm、体重55kgで印象はか細い。だが、指導者たちが“教えられない”と表現する感覚を持つMFは、奪いに来た相手DFからボールを守り、簡単にいなして次々と空いたスペースへボールを運んでいく。

 本人がベストゲームに挙げたプリンスリーグ関東参入戦(19年12月)の千葉U-18戦(3-0)をはじめ、試合を支配するようなパフォーマンスが増加。選手権予選や全国大会でも披露していたスキルは、トップレベルでの経験を重ねたことで、また磨きがかかっているようだ。

 昌平は近年、MF針谷岳晃(現磐田)やMF山下勇希(現東洋大)、MF原田虹輝(現川崎F)と取られないボランチを輩出してきた。彼らは高校3年時の全国大会などでもその実力を証明していたが、小川のスキル、判断力はすでに彼らと同等、上回るようなレベルにまで到達してきている。

 確かに針谷と原田のような質の高いキックや山下の能力の高さはないかもしれない。加えて、小川は彼らよりも一回り身体が小さい。だが、「自分の特長である推進力あるドリブルは負けたくないです」という武器は、先輩ボランチたちと比較しても異質。瞬時にマークを外してボールを前進させ、また読みを活かしたインターセプトなどで昌平のアタッキングサッカーを表現する技巧派は、全国区のタレント同等に楽しみなプレーヤーだ。

 現在、昌平は新型コロナウィルス感染拡大によって休校中だが、その前に実施された流通経済大柏高(千葉)などとの練習試合でも抜群のプレーを見せていたという。それだけに、自身初のプリンスリーグ関東が開幕延期されていることは本人も「楽しみにしていたので先送りになってしまい残念です」とコメント。加えて、2月からチームトレーニングも中止となり、自宅近辺でのトレーニングに限られているものの、体幹強化やリフティング、ドリブルと今できることに取り組んでいる。

 今はライバルたちに負けないように、努力を続けるだけだ。ボランチでコンビを組むMF柴圭太(3年)が自身のライバルとして小川の名を挙げ、「同じポジションで日々お互いに切磋琢磨している、優介は技術も高く、予測も素晴らしい選手でまだまだ自分には及ばない選手ですが、やはり負けたくないです」と語っているが、小川もチームメートでいずれも日本高校選抜候補に選出された柴やMF須藤直輝(3年)、FW小見洋太(3年)の3人をライバル視している。

「選手権にも一緒に出てた3人は同じチームだけど、自分の中ではライバルです。柴は同じポジションですし、負けたくない気持ちはあります。洋太や直輝は、代表とかにも呼ばれていて、とても刺激になっているのでこのまま置いてかれないように努力したいです」と語った。

 本人はゴールやアシストという数字が出せていないことを課題としており、「今年は数字で結果も残したいです」と掲げる。すでに、小見へのロングボールの質が向上してきているというが、ハイレベルなチームメートと切磋琢磨する中で得点に絡む回数を増やすこと。今年は目に見える数字も残してタイトル、個人の評価も獲得し、多くの人々に「凄い」と言わしめる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2020

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