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Jリーグでは難しい「一斉PCR検査」…村井チェアマンが語った“新たな可能性”

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オンライン説明会に出席した村井満チェアマン(会議アプリ『Zoom』のスクリーンショット)

 Jリーグの村井満チェアマンが11日、サッカー選手や関係者を対象とした新型コロナウイルス感染症の検査体制について見解を述べた。ドイツなどの欧州各国リーグでは再開に向けて「一斉PCR検査」を繰り返している中、「われわれだけが検査体制を占有することは考えていない」としつつも、新たな検査方法を活用していく方針を示唆した。

 Jリーグと日本野球機構(NPB)がつくる『新型コロナウイルス対策会議』は同日、第7回会議を開催。日本全国に緊急事態宣言が発出されている中、具体的な再開日程を議論することはできなかったものの、シーズン再開に向けたリスク管理について入念に話し合った。

 村井チェアマンによると、選手や関係者を対象とした検査体制にも話が及んだ。Jリーグ特任理事として会議に参加した播戸竜二氏からは「身体が資本で家族を背負っている選手の立場としては、万全な検査体制がある中でチャレンジしていきたい」という旨の意見も出されたという。

 終了後、会議の中心メンバーが報道陣向けのオンライン発表会に出席。感染症の専門家である東北医科薬科⼤の賀来満夫教授も「一斉検査」の取り組みに前向きな姿勢を示した。

「欧州各国では選手のPCR検査を行って、陰性の方だけ試合に出ていただくという、あらかじめ感染リスクを下げる対応をしていると認識している。選手や選手の家族にとっても、スタッフや審判も含めた方々にとっても、検査でしっかり詰めていくのは非常に重要だと思っている」。

 一方、欧州各国では検査を受けたい国民が受けられる体制がすでに整っているのに対し、日本国内では症状のない人々が検査を受けられる仕組みにはなっていない。そうした中、全員に行き届く検査規模が準備できるかという問題に加え、限られた人々だけが検査を受けることに国民の理解が得られるのかという問題が生じてくる。

 賀来教授は「アスリートの方々は国民に希望を与えるので、優先順位を高めたいという意見もある」としつつも、「国民が受けられていない状況の中で、どうしたら納得していただけるか世論形成をしていくことが重要」と指摘。その上で「抗原検査」や「抗体検査」など、従前のPCR検査とは異なる方法も提示し、「どう検査ができるかについては議論していかないといけない」と述べた。

 これを受けて村井チェアマンも発言。「国民の健康を第一とプライオリティの第一においている。コンセンサスがない中、われわれだけが検査体制を占有することは考えていない」と早急な一斉PCR検査には厳しい見通しを述べつつ、「意見交換の中では新たな可能性を感じるアドバイスを頂いた」と明かした。

 それが賀来教授も述べた「抗原検査」などの新たな検査システムだ。PCR検査に比べればやや精度は落ちるが、15〜30分間で検査結果を出すことのできるこの仕組み。インフルエンザの検査でも広く使われている。各種報道によれば、政府が13日にも新型コロナウイルスの検査ができるキットを薬事承認する方針だといい、その後は民間業者を通じて利用できることになる。

 村井チェアマンは「従来は保健所を中心とする検査だが、民間で幅広く検査が行われる体制が広がっている」と述べ、「検査ひとつとってもさまざまな知見がある。少しでも検査するのが望ましいが、国民のコンセンサスがある前提でそうした体制も見えつつある。今日は少し薄日が見えた部分もある。欧州各国の状況は逐一、各国の情報を共有しているので、キャッチアップしながら日本独自の体制を築いていきたい」と展望を述べた。

(取材・文 竹内達也)
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