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長期離脱時に身につけた“打たれ強いメンタル”。富山一MF福岡輝は復活、日本一へ再挑戦するシーズンに

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怪我を乗り越えてきた富山一高MF福岡輝が今年、思いを込めて選手権で躍動する

[2020シーズンへ向けて](※富山一高の協力により、アンケート形式で取材をさせて頂いています)
 
 怪我からの復活、そして日本一に再挑戦するシーズンだ。富山一高(富山)のMF福岡輝(3年)は昨年のインターハイ富山県予選で優勝に貢献しているほか、プリンスリーグ北信越で開幕から8試合連続で先発出場。だが、怪我によってインターハイ、選手権の全国大会は登録外となった。福岡不在の中でも先輩たちはインターハイで準優勝し、選手権でもベスト16を記録しているが、今年は自分がピッチで力を発揮して、チームの白星に貢献したい考えだ。

 福岡は「この1年間は、怪我が続きあまり試合は出られなかったが、大怪我をした人にしか分からない“打たれ強いメンタル”を身につけることができたと思うし、フィジカル面でも成長したと思う」とコメント。チームの練習に参加できない、試合に出られないという苦しい時期を過ごしたが、人間的な成長や肉体強化をできた実感がある。

 新チームでは実戦を重ねてきたが、新型コロナウィルス感染症の影響によって、チーム練習、対外試合が出来ない状況に。シーズンオフから序盤にかけて試合勘を取り戻したい思いがあったが、それはこの先解決していくことになった。

 3年間の集大成となるシーズンでインターハイなどの公式戦、また練習ができない悔しさもある。それでも、我慢を続けてきた福岡は強い。「怪我期間中から継続してきた、筋力、体幹などの身体づくりを続けるようにしている」。富山一ではオンラインでの全体トレーニングもスタート。今できることに取り組み、万全の準備をして練習、実戦再開を迎える。

 福岡はアンカーのポジションで相手の攻撃の芽を摘み、また試合終盤でも疲れを見せずにハードワークできるプレーヤー。昨季のプリンスリーグ北信越では、Jクラブへ3人が進んだタレント軍団・帝京長岡高(新潟)相手でも堂々とプレーできたという。「同じポジションとして正確なボールコントロールと縦パスの精度、的確な状況判断などがお手本となるから」という理由でMFセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)が目標。守備に加えて攻撃面でもキーマンとなる福岡が今年、強豪相手にどのようなプレーをするのか楽しみだ。

 今年の目標について福岡は、「まず個人として、日々のレベルアップはもちろんのこと、去年は怪我をして我慢してきた分、今年はその思いを思いっ切り出し切りたい。チームとしてまずは去年のチームを超えること、そして、この期間で他チームと差をつけ、今年の富一サッカーの特徴を最大限に活かし、選手権での優勝を勝ち取る!」と宣言した。SQUARE富山U-15時代のチームメートであるDF酒匂駿太(帝京長岡3年)が選手権で全国3位。“打たれ強いメンタル”を身に着けたMFは今年、この逆境を乗り越えて、切磋琢磨してきたライバルだという酒匂以上の成績、そして日本一を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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