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山形内定FW阿部先制弾!3バック機能の尚志が静岡学園を3発撃破

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尚志高のU-17日本代表DFチェイス・アンリ(左)と静岡学園高のU-18日本代表DF田邉秀斗が激しくボールを奪い合う

[7.23 ULTIMA開幕戦 静岡学園高 1-3 尚志高 フジスパークフィールド]

 昨年度全国高校サッカー選手権優勝の静岡学園高(静岡)と同インターハイ4強の尚志高(福島)が23日、ULTIMAリーグ開幕戦で対戦し、尚志が3-1で勝った。

 陸上用トラックも兼備した全天候型の人工芝グラウンド、フジスパークフィールド(時之栖富士)のこけら落としを兼ねた一戦は、オープニングゲームに相応しい熱い戦いとなった。静岡学園は選手権優勝メンバーのU-18日本代表左SB田邉秀斗(3年)やGK野知滉平(3年)、U-17日本代表の右SB清水和馬(2年)、期待の188cmCB伊東進之輔(2年)らが先発。一方の尚志は山形内定FW阿部要門(3年)やU-17日本代表DFチェイス・アンリ(2年)が先発メンバーに名を連ねた。

 先制点は試合開始直後に生まれた。前半2分、尚志はクイックリスタートからMF菅野稜斗(3年)が左クロス。こぼれ球に反応したFW松本勇斗(2年)の左足シュートが中央の阿部の足元へ飛び、これを阿部が右足ダイレクトでゴールへ流し込む。J内定選手として結果を求めていた阿部の電光石火の一撃で、尚志は大いに盛り上がった。

 立ち上がりに失点した静岡学園だが、前後半ともに多くの時間帯でボールを支配した。前半は相手の切り替えの速い守備の前に奪い返されるシーンも増えていたが、MF玄理吾(2年)やMF渡辺怜歩(3年)を中心にボールを繋いで尚志を押し込む。9分にはMF新藤琉人(3年)がスルーパスで抜け出し、18分にはMF木浪航太(3年)が左から中央へ持ち込んで右足を振り抜く。だが、尚志DFにブロックされて同点に追いつくことはできない。

 今年、大型ストッパーが充実している尚志は、「CBは昨年から出ている選手が多い。それをフル活用できるフォーメーション」(仲村浩二監督)というアンリ、渡邉光陽(3年)、神林翼(3年)の3バックを採用。6月に行った青森山田高との練習試合1戦目で6失点し、翌日の2戦目(1-2)から取り組んでいるという3バックだが、中を崩そうとする静岡学園に対して効果を発揮した。

 アンリがガツガツと相手ボールを奪いに行けば、3バックの中心・渡邉や神林、GK妹尾弦(3年)がスペースを的確にカバーして見せる。そして、MF松尾春希(2年)とMF新谷一真(2年)のダブルボランチをはじめ切り替えの速い尚志は、ボールを奪ってからの人の動きとスペースへの配球が秀逸。正確にボールを繋いで押し返すと、前線でキープ力を示す阿部を交えた攻撃で2点目を狙った。

 33分には最終ラインの中央でボールを受けた渡邉が、相手の虚を突く形で中央から持ち上がって阿部へパス。これを阿部がスルーすると、その背後にいたMF黒田陸斗(3年)が最前線へ抜け出す渡邉の足元にラストパスを入れる。最後は好トラップからGKと1対1となった渡邉が、GKの股間を抜くシュートを決め、2-0とした。

 静岡学園は清水、田邉の両SBがスピードを活かして前へ。40分には清水が一気にエンドライン近くまで切れ込み、ラストパスを通す。最後は木浪がシュートを放ったが、尚志はGK妹尾がファインセーブ。逆に尚志は後半3分、阿部の絶妙なラストパスから松本が決定機を迎えたが、今度は静岡学園GK野知がビッグセーブをお返しする。
 
 後半、静岡学園はボランチにMF菊池柊哉(2年)を投入したことでより攻撃の時間を増やす。さらに16分には選手権全国決勝で同点弾のFW加納大(3年)を投入。川口修監督が「とにかく握ることだけ。守備や崩しはまだやっていない」という静岡学園は、指揮官の想像を上回るボール保持を見せたが、後半重心を後ろに置いた尚志の守りを切り崩すことができない。

 25分、逆に尚志が突き放す。アンリのフィードに右MF五十嵐聖己(3年)がエンドラインギリギリで追いつく。そして、FW斎藤大輝(3年)を経由して逆サイドへ。最後は黒田が1タッチシュートを沈めて3-0とした。

 静岡学園は、後半44分に清水が右中間から鮮やかな右足FKをゴール左隅に沈めて意地の1ゴール。だが、アディショナルタイムに鋭くPAへ侵入した加納が尚志DFアンリのスライディングタックルに阻止されるなど、それ以上の追撃をすることはできなかった。

 尚志の仲村監督は「(新型コロナウイルス感染拡大の影響で)今日みたいな緊張感のある試合がなかなかできなかった。感謝している。こういうゲームでチーム、選手は成長する」とコメント。昌平高、帝京長岡高、興國高(桐光学園高は不参加に)を含めたテクニカルな強豪校同士が戦うULTIMAも活用し、チームの強化に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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