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[MOM3266]松本国際FW村瀬漣也(2年)_2度の“アディショナルタイム”得たFWが観衆興奮のスーパーゴール

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松本国際高FW村瀬漣也はスーパーゴールで観衆を沸かせた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 選手権長野県予選準決勝 松商学園高 1-2 松本国際高 アルウィン]

「観客を楽しませる選手になりたい」。そう意気込む松本国際高FW村瀬漣也(2年)が、松商学園高と対戦した準決勝で観衆を大興奮させるシュートを叩き込んだ。

 村瀬の持ち味はスピードに乗ったドリブル。前半6分にサイドチェンジを受けて、後方から攻撃参加したDF柳平強(3年)のシュートを引き出すなどサイドで起点を作るプレーを見せたが、本人は「前半は調子が上がらず、縦への突破が少なかった」と反省を口にする。

 準々決勝の松本一高戦も、前半のうちに持ち味を出し切れずハーフタイムに交代。この日も勝沢勝監督はハーフタイムに代わりの選手を投入する準備を進めていた。だが、「準々決勝は消化不良みたいな顔をしていたのでもう少しやらせてみようと思った」(勝沢監督)ため、後半もピッチに立ち続けた。

 チームは後半3分にPKから失点を許したが、「後半の最初に失点したけど、チームは悪い雰囲気にならなかった」。失点直後には選手が集まり、チームとしてやるべきことを再確認。村瀬はハーフタイムにコーチから伝えられた「相手のSBが疲れているから、仕掛けられる」とのアドバイスを意識すると、10分にはMF上杉優斗(2年)のパスを受け、左サイドを突破。中へのリターンから上杉がシュートを放った。

 この場面は、ゴールネットを揺らせなかったが、ゴールの可能性を感じさせるプレー。勝沢監督は「本当はもう5分早く代える予定だったけど、1つ縦を突破してクロスを入れた場面があったので、もう少しやらせてみようと思った」と振り返る。個人として2度目の“アディショナルタイム”を得た村瀬が魅せたのは、19分だ。

「昨日の練習でコーチから守備意識が低いと言われていた。今までよりもスタートラインを中にしたり、守備を確認しながらプレーしていた」村瀬は、ハーフウェーライン付近で相手がパスミスしたのを逃さず、インターセプト。そのままスピードに乗ったドリブルで2人をかわして、ゴール前まで持ち込んだ。

 ゴールまでの距離はおよそ20m。シュートが得意なタイプではないが、「相手のCBが戻ってきたのが分かったので、縦じゃなくカットインに切り替えた。コースとかはあまり見えなかったけど、思い切り打った」一撃がゴール右上に突き刺さり、これが決勝点となった。

 勝沢監督も「凄いゴールだったね」と称えるゴールを叩き込んだ村瀬は、「体力には自信があった。結果的には中央でボールをカットしてのゴールだったけど、そういった走りが活きたと思う」とコメント。準々決勝からの変身を目の当たりにした勝沢監督は、「子どもたちって前回良く無くても、次の時に機会を与えればやってくれる。前回良く無かったから使わないのではなく、『悔しさを持っているだろ?頑張って来い』と使ってあげるべきだと改めて思った」と口にした。

 今大会で残すは決勝のみ。「決勝は昨年と同じ上田西。あっちはリベンジマッチとして挑んでくると思うけど、こっちはチャレンジャーとしてやっていきたい」と話す通り、貪欲な姿勢は忘れていない。再び観客を沸かせるプレーを見せてくれるはずだ。

(取材・文 森田将義)
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