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大型GKヒル袈依廉が高さとシュートセーブで鹿児島城西の勝利に貢献。準決勝は仲間に託し、決勝での完封誓う

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鹿児島城西高の194cmGKヒル袈依廉は完封勝利

[11.5 選手権鹿児島県予選準々決勝 鹿児島城西高 2-0 鹿児島実高 桷志田サッカー競技場]

 鹿児島城西高の新田祐輔監督は登録194cmの超大型守護神について、「落ち着いている。最近ヒヤヒヤしないです」と成長を認めていた。U-17日本代表候補にも選出されているGKヒル袈依廉(3年)はこの日、前半に1本ファインセーブ。後半はゴール前でのハイボールが増えたが、安定したキャッチングによって勝利に貢献した。

 気持ちが前に出過ぎてミスになりかけたシーンがあったことも確か。だが、それを引きずることなく切り替え、安定したプレーを継続していた。ヒルは「後半は特に放ってくるところが多くて自分が処理するところが多かったんですけれども、ハイボールは得意なので。大会中全部無失点なので、それが続いたので良かったです」。無失点で強豪対決を終え、充実の表情を見せていた。

 系列の鹿児島育英館中出身。鹿児島城西では1年時から公式戦を経験してきた。大きな期待を背負ってきたが、まだ入学後に選手権へ出場することができていない。自分のミスでチームに迷惑をかけたこともある。チームは昨年の九州新人大会で優勝したが、ヒルは負傷欠場。それだけに、「今回こそチームに恩返ししたい」という気持ちは非常に強い。

 京都に練習参加するなど注目された進路は、関東1部の名門大学へ進学予定。もちろん、高校から直接プロ入りしたいという気持ちがあったが、前向きな決断だ。「足りない部分がたくさんあるので、プロに行けなかったことをプラスに捉えて、基礎の部分をみっちりと鍛え直して行きたい。夢はプロになることではなくて活躍し続けることなので、それが活かせたら良い」と語った。

 圧倒的な高さに加え、動きもかなりスムーズになってきている。課題を改善して4年後、争奪戦が展開されるような選手になることが現在の目標だ。「絶対的な安定感とか、存在感とか足りないので、チームからの信頼度もまだまだなので高校は最後の大会だけど、進学した後も4年間信頼度を高くしていきたい」と力を込めた。

 7日の準決勝は、大学受験のために不在。2年生GK栗原柊磨に託すことになりそうだ。「次の試合はサブが出るんですけれども今から声かけたりしていく。(伝えたいことは)自分のやってきたことを出せば大丈夫だよと。練習試合でも大きなピンチもなく、彼も自分から攻撃参加してチャンスにも繋げている」。GK陣のリーダーとしてサポートし、自分自身は受験と決勝でチームを勝たせることに集中する。

 仲間たちが必ず決勝に勝ち上がると信じている。そして自分は決勝で「自分のプレーを存分にやっていきたい。クリーンシートでやっていくつもり」と宣言。仲間とともに選手権切符を勝ち取り、笑顔で予選を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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