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[MOM3301]関東一FW笠井佳祐(3年)_5試合連続8得点、文句なしの決定力で全国へ

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5試合連続8得点を記録した関東一高FW笠井佳祐(3年)

 今年の関東一高は、10番が決める。5試合連続8得点と文句なしの数字でチームを全国の舞台に導いたのは、FW笠井佳祐(3年)だ。第99回全国高校サッカー選手権の東京都大会Aブロック決勝戦、日大豊山高との対戦で、笠井が仕事を果たした。前半16分、ニアサイドへ飛び込み、左からの低いクロスを合わせてチームの2点目を奪った。さらに、同34分には味方のシュートのこぼれ球を押し込んでダメ押しの3点目をマーク。勝利を決定づけた。

 2点目は、自身の反省点が結果につながった。笠井は「1、2回戦では、横からのボールを自分が外してしまってチームに迷惑をかけてしまったので、横からのボールを決めきれて良かった」と笑顔を見せて喜んだ。3点目を喜んだのは、小野貴裕監督だ。「2-0ではなく、3-0で前半を終われたのが大きい」と話し、セーフティーリードを得た後半は、ゴールを奪いに行くのではなく、試合をクローズさせる戦い方を選択。後半開始20分は相手の勢いを削ぐために攻勢に出たが、守備のバランスを保つことを最優先に戦い、巧みな時間の進め方でリードを守って勝利を収めた。

 笠井は、後半にも得点機があり、ハットトリックの可能性もあった。それだけに「元々、点を取るのは好きなので楽しいです。でも、まだ決められるのに外したシーンもあったので、全国大会に向けてもっと決定力を練習で上げていきたい」と自ら課題も指摘していた。

 1年次から素質を高く評価され、前線で起用されてきたが、中学時代はストッパー。1年で前線に慣れたが、昨年はボランチで起用され、今季は再び前線に戻された。しかし、パワーと技術を駆使して前線で起点となり、前を向けば自ら決めに行ける笠井の存在は、相手にとって最も脅威だ。小野監督は「笠井を中盤からFWに移したことで、本人もチームも前進する力を持てるようになりました」と手応えを語った。

 今季は、コロナ禍でインターハイなどの試合がなくなり、どのチームにとっても、高校選手権が最初で最後の大舞台。かけている思いは、強い。ゴールラッシュは、都大会で終わらせるつもりはない。笠井は「全国の頂点を取るためにやってきているので、目標は全国制覇。連続ゴールでも毎試合取っていきたい」と、さらに上のステージでもチームを引っ張るゴールを決め続ける意欲を示した。選手権での過去最高2回戦という壁を打ち破り、目標の頂点に近付けるために、笠井はゴールを狙い続ける。

(取材・文 平野貴也)
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