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[MOM3310]京都橘DF小山凌(3年)_転機の選手権敗退から一年、守備の要はより逞しく

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圧倒的な競り合いの強さを見せた京都橘高DF小山凌(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.15 選手権京都府予選決勝 京都橘高 2-1 東山高 サンガスタジアム by KYOCERA]

 ロングスローからの2得点で全国行きを掴んだ京都橘高だが、全体として見れば”打倒・京都橘”を目指して、自陣からのロングフィードとロングボールを徹底してきた東山に苦しんだ印象が強い。背後に抜ければ、1点ものという場面も多かったが、米澤一成監督が「予測と個の力があったから、凌げた」と称えたように、守備陣の奮闘が際立った。

 中でも、光ったのは3バックの中央を任されたDF小山凌(3年)だ。「1年生で東山と対戦した際は、1-1の引き分け。その時から、自分たちの代になれば東山が勢いを持って挑んでくると予想していた。選手権予選では、逆の山にいたので、決勝でぶつかる相手だと覚悟していた。今日は、その覚悟や1年生の時に勝てなかった想いをぶつけるだけだと思っていた」と振り返る。

 序盤から、頻繁に飛んできた東山のロングボールを、DF金沢一矢(3年)と共に打点の高いヘディングで跳ね返し続けた。3バックの脇を狙ったボールに対しては、試合前から話し合っていたチャレンジ&カバーも徹底し、前半に打たれたシュートは2本。前半32分には、自陣中央から左サイドのMF中川樹(3年)へとピンポイントのフィードを送るなど、攻撃にも関与した。試合終盤は、「ピンチの数が多くなると思っていたので、最後の所で身体を張ろうと決めていた」との言葉通り、身を投げ出して決定機を阻止。セットプレーからの連続攻撃を受けた終了間際も、「ファーストの所で負けてしまえば、試合展開が変わってしまう」と体勢を崩しても、先に触って東山に決定機を与えなかった。

 頼もしい姿を見せた小山にとって転機になったのは、昨年の選手権だ。鵬学園高を迎えた1回戦では、試合終盤の失点で追いつかれ、PK戦で敗退。責任を感じた小山は、「最後のゴール前で身体を張れなかった弱みを今年は見せてはいけない。そこを変えなければ、橘はもう一つ上に行けないと感じた」。新チームになった直後に、米澤監督からかけられた「最後のゴール前で身体を張れる信頼で、お前を試合に出している」との言葉も、彼の成長を促進した。

 しかし、今年はコロナ禍の影響で、満足に活動できない時期が続いた。例年なら遠征を繰り返す夏休みの期間も、県外に出た回数はごくわずかとなったが、「試合数が少ないからこそ、この試合で身体を張って守らないといけないという気持ちが強かった。1試合1試合にかける想いが、昨年や一昨年とは違った」。

 心境の変化によって、昨年よりも逞しくなれた自負はある。「厳しい予選を勝ち抜いてきたチームばかりなので、どこと当たっても絶対に強い。ピンチは絶対に訪れると思うので、僕が絶対に止めて、チームに勝利をもたらしたい」。更なる活躍を誓う小山の存在によって、歓喜を呼び込む試合は今後も続くはずだ。

(取材・文 森田将義)
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