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明徳義塾が4年ぶりの選手権へ! 高知西に先制許すも…後半3得点で逆転大勝利

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明徳義塾高が逆転勝利で高知を制す

[11.8 選手権高知県予選決勝 高知西高 1-3明徳義塾高 春野陸上競技場]

 第99回全国高校サッカー選手権高知県予選は8日に決勝を行い、高知西高明徳義塾高が対戦。後半の3ゴールで逆転勝ちした明徳義塾が、4年ぶり8回目の選手権出場を決めた。

 2014年度から3年連続で選手権出場を果たすなど、無類の強さを見せた明徳義塾だが、今年の高校3年生が入学する前年から3年連続で全国大会への出場を逃し続けた。主将のMF松下総龍(3年)は、「結果が出なかったので、3年間全国に行けないかなと悩んだ時期もあった」と振り返るが、一致団結した戦いで全国への扉をこじ開けた。

 一進一退の展開が続いた前半は、3トップの頂点に入ったFWホン・ジョンウク(3年)のポストプレーやスルーパスから、「自分たちの持ち味」(松下)であるFW泉幸輝(3年)と持田憲伸(3年)が果敢にゴールへと迫った。前半12分にはMF田岡拓馬(3年)のパスから、左を抜け出した泉がゴール前にパスを送ったが、中と合わず。26分には、ホンのポストプレーから泉がDF裏に抜け出したが、GK岡林侑也(3年)に阻まれた。

「前半は攻める場面は多かったけど、シュートで終わる場面が少なかった」と振り返るのは泉。相手ゴール前での場面は多かったが、「高知西に全部弾かれた上に、セカンドボールを拾えなかったのが苦しかった」(小松晃監督)。次第に、試合の流れは高知西へと傾き、30分にはPA内で、こぼれ球を拾ったMF甫喜本晴貴(3年)がシュート。33分にも、DF谷本虎翼(3年)の右クロスから、甫喜本がヘディングシュートを放ったが、枠を捕えられない。このままスコアレスのまま前半を終えるかと思われたが、39分にはMF岡本青龍(3年)がエリア左から直接、FKを決めて高知西が先制した。

 先手を奪われたものの接戦を勝ち上がってきた明徳義塾に焦りの色は見られない。後半に入った明徳義塾は、「下を向いていても仕方ないので、みんなで高い位置でプレーしようと声を掛けあった」(松下)。同時に、サイドに開きがちだったシャドーの泉と持田が、中央に仕掛ける場面を増加。後半から入ったCFの喜納瑠唯(3年)を含めた厚みのある仕掛けで、高知西のSBを中央に引き付けた。

 その結果、セカンドボールの回収率が高まると共に、SBから対角線上へと繰り出す高知西のロングボール封じにも成功。攻守共に軌道に乗った明徳義塾が、押し込む時間帯が増え始めた。後半16分には、前向きでポールを奪った田岡が、素早く右サイドに展開。MF原山元(2年)がゴール前に入れたパスを、喜納がダイレクトで決めて、試合を振り出しに戻した。

 後半25分には後方からMF和田聖生(3年)が、上げたクロスのこぼれ球をDF岡崎航大(3年)が豪快に叩き込み、逆転に成功。終了間際にも、コンビネーションで右サイドを崩すと、MF高良泰生(3年)のパスがDFに当たりながら、ゴール前へ。最後は密集を上手く抜け出した泉が決めて、3-1で明徳義塾が勝利した。

 今年の3年生は一学年が30人近くいる大所帯で、「このチームは仲が良いので、一つにまとまれば全国に行けると信じてやってきた」(松下)。「チームのまとまりを意識しながらも、まとまりきれていなかった」(泉)反省点を活かし、事細かにミーティングを行いながら一体感を高めてきた。そうした雰囲気の良さは、「どちらがAチームか分からない」(小松監督)ほど白熱した紅白戦へと繋がり、チーム力が向上。今大会では途中出場した選手の活躍や、接戦を物にする原動力となった。

 また、「予選の登録メンバーから外れた3年生もいるので、仲間の分まで戦おうという気持ちが強かった。全国に行けば登録が30人に増えるので、外れた3年生も一緒に戦えるかもしれないと思って、頑張ってきた」と泉は続ける。全国出場を決めたことで、また新たなサバイバルが始まる。仲間と切磋琢磨しながら更にチーム力を高め、全国でも白星を狙いに行く。

(取材・文 森田将義)
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