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いまだ不変の人種差別問題…元カメルーン代表FWエトー「私の肌は黒いが、血の色は赤だ」

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FWサミュエル・エトーは財団を設立し、次世代を担う子どもたちに機会を与えている

 元カメルーン代表のFWサミュエル・エトーが今週のワールド・フットボール・サミットにゲストとして参加。39歳のアフリカン・レジェンドが今後について語った。スペイン『アス』が『ゴールTV』のインタビューを伝えている。

 マジョルカやバルセロナ、そしてインテルで活躍したエトーは、UEFAチャンピオンズリーグを3度制覇するなど、数々の輝かしいタイトルを獲得。2003年から3年連続で、そして10年と4度もアフリカ年間最優秀選手に選出された。

 欧州のサッカーで大きな成功を収めた選手の一人であるエトーは、2019年にカタールのクラブを退団後、同年9月に現役引退を発表。現在は、財団法人サミュエル・エトーを設立し、バルセロナとマドリー、そしてカメルーンのドゥアラにオフィスを構えている。

 現在の生活は「とても落ち着いている」と語る。「最初のフェーズは、サッカーを楽しみ、人々を幸せにすること」と振り返り、現状は「次のフェーズとして、2年間勉強してきた。いまは社会に何か還元するために動いている」と財団設立の経緯を明かした。

 財団法人サミュエル・エトーは、子どもや若者の保護や支援を目的とし、彼らへの緊急援助を行うとともに、教育や基本的な健康、社会的包摂を推進。その他の取り組みとして、毎年100人の子どもたちが無料でコーチングを受けられるサッカースクールを経営するほか、予防医療プログラムや留学プログラムなどを実施している。

 その目標について「人々に機会を与えること」とエトーは語る。アフリカの最大の資源は「若者」とし、援助に集中しているという。しかし、それを阻む障壁もある。「アフリカは非常に豊かな大陸だが、私たちは紛争を抱えている」。

 自身の子ども時代を振り返り、「アフリカで生まれた他の子どもたちのように苦しいものだった。アフリカで夢を叶えるのにもお金がかかるんだ」と語る。エトーは青年時代にレアル・マドリーの下部組織に加入。「簡単な旅ではなかったよ。他の人がするよりも3倍か4倍頑張らなければならなかった」と当時を思い返す。レガネスやエスパニョール、そしてマジョルカへのレンタルを繰り返し、最終的にマジョルカで才能が開花。バルセロナでのブレイクにつながっていった。

 しかしいくら成功しても、“アフリカン”というフィルターは存在するという。ヨーロッパにいるアフリカ人たちは、一度実力を証明したとしても、依然としてアフリカ人選手として見なされる傾向があるとも語っている。「エトーは、ドログバやエッシェンと一緒だ。彼らの中で誰が一番だ? ってね。でも私たちは皆、ヨーロッパで最高の選手なんだ!」。

 2006年のサラゴサ戦では、サポーターから人種差別的な罵倒を受けた。試合中にもかかわらず試合を放棄し、ロッカールームに戻ろうとした。仲間たちの説得でプレーを再開したものの、その当時から何も変わっていないと述べる。

「差別は変わらない。スタジアムでは依然として人種差別が起きている。そしてスタジアムでの出来事は、社会を反映している。それは政治的な問題だ」

 根本的な解決策は「さらなる教育しかない」と強調する。すべての人間が同じであるということ。次世代の子どもたちに教えることの重要さを訴えている。

「みんな、私たちは同じだと言うことを知る必要がある。私の肌は黒いが、血の色は赤だ。子どもたちを教育していこう」

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