beacon

[MOM3357]創成館GK永田健人(2年)_指揮官も主将も信頼…自分の“間”で勝負してPKストップ

このエントリーをはてなブックマークに追加

創成館(長崎)GK永田健人(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]

[1.2 全国高校選手権2回戦 学法石川高1-1(PK3-4)創成館高 NACK]

 初出場校同士の一戦。勝敗の行方はPK戦に委ねられた。創成館(長崎)に選手権初勝利をもたらしたのは2年生守護神。GK永田健人(2年)だった。

 初の選手権の舞台。初めて試合を行うスタジアムということもあり、難しさもあった。「慣れないグラウンドで距離感をつかめずにかぶってしまった」と前半に2度、ゴールマウスから飛び出しながらもクロスの処理をミスしてしまう。しかし、動じなかった。「ミーティングでも、独特な雰囲気があってミスも出るという話をコーチがしてくれていたし、ディフェンスがカバーしてくれた」。周囲のサポートもあり、立て直していく。

 スコアレスで迎えた後半12分に先制点を献上したものの、直後の同15分にMF岩崎雄永(3年)の得点で同点に。その後は安定したプレーで守備を引き締め、1-1で前後半の80分間を終えた。

 迎えたPK戦。永田が魅せた。キッカーがボールをセットするまでゴールマウスの中で屈伸をするなど縮まり、キッカーがボールから離れるとゴールライン上に立って大きく手を広げる。「自分の“間”で勝負したいので、相手がボールをセットするまで小さく見せ、(助走をとるために)下がり始めたら自分が前に出て大きく見せる」というルーティンでキッカーにプレッシャー。1人目のミスを誘うと、4-3とリードして迎えた後攻・学法石川の5人目のシュートを弾き出してチームを勝利へと導いた。

「昨日、GKだけのミーティングで、最後まで我慢して飛ぼうと言われていた。それを意識して挑んだので、コースは結構読めたと思う」

 久留貴昭監督が「練習試合をたくさんやってきた中で、練習試合でも1、2本は止めてくれていたので安心していた」と語り、主将の岩﨑は「PK練習から健人が止めているのを目の前で見ていた。自信を持ってPKを見れていたし、負ける気はしなかった」と答える。チームの守護神に対する信頼は揺るぎないものだった。

 次戦は優勝候補の一角・昌平と対戦。「強い相手だけど、やれない相手ではないと思っている。チーム一丸となって固い守備を作って挑みたい」と全国2勝目を目指す。

(取材・文 折戸岳彦)
▼関連リンク●【特設】高校選手権2020

TOP