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高校選抜から1年後プロへ。青森山田の2年生MF宇野は「ゾーン」に入った選手権決勝のようなプレーを常に

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MF宇野禅斗(青森山田高2年)は日本高校選抜でも研ぎ澄まされたプレーを。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 昨年、日本高校選抜に名を連ねた2年生9人のうち、DF藤原優大(青森山田高→浦和、2月の活動は辞退)やDF田邉秀斗(静岡学園高→川崎F)、MF須藤直輝(昌平高→鹿島)ら7人がJリーガーとなった。一昨年度の日本高校選抜からもMF武田英寿(青森山田高→浦和)、MF鈴木唯人(市立船橋高→清水)、FW染野唯月(尚志高→鹿島)が1年後Jリーグへ。今年も日本高校選抜からプロ入りを果たす選手が現れるか、注目だ。

 第99回全国高校選手権で8人の2年生が優秀選手に選出され、そのうちGK藤井陽登(矢板中央高2年)、MF宇野禅斗(青森山田高2年)、MF吉田陣平(佐賀東高2年)の3人が日本高校選抜入りを果たしている。

 中でも青森山田高の2年生ボランチ・宇野は、選手権決勝でインパクトあるプレー。元々守備面に自信を持つ宇野だが、特に後半、延長戦で1対1を止め切ったり、狙い澄ましたインターセプトなど圧巻の動きを見せていた。

「決勝は一年間見ても自分の中では一番納得できるプレーだったかなと思います。集中しきっていたというか、『ゾーン』というと大袈裟かもしれないですけれども、自分の中の『ゾーン』状態に入っている感じでした。他の雑念がなかったです。極力集中すれば、『今日は調子良いな』という時が出てくるんですけれども、決勝は特に良かったです」。PK戦の末に敗れたものの、サイドへの正確な配球含めて抜群の働きだった。

 ただし、準々決勝までは、緊張もあって納得のいくプレーができなかったのだという。「自分の中で気持ちをコントロールできず、平常心を保てなくて良いプレーをすることができないところがありました。選手権でそこが自分の弱みだと気付かされたので、今年1年間でもっとメンタル面を強化して、コンスタントに、毎試合毎試合プレーできれば良いなと思っています」。昨年飛躍を遂げ、青森山田不動のボランチに。そして、決勝で最高のプレーをしたことは素晴らしいが、常に「ゾーン」に近い動きができるように改善していく。

 チームは圧倒的な強さを示しながらも、準優勝。宇野は悔しさで下を向くのではなく、昨年以上の日常を過ごすことに目を向けている。「来年、もう一年間仲間たちと切磋琢磨できる。この1年間の取り組みでも全国獲れないと気付かされました。今年は自分が3年生になるということで、チームの軸となって、どういう日々のトレーニングを積めば全国1位を獲れるのかということを日々考えて、取り組んでいきたいと思っています」。日本一を奪還するための日常はスタートしている。

 個人としては「(高校卒業後)プロに行って勝負したいという気持ちは強く持っている」という。プロを第一に他の選択肢も熟考していく構え。目標とするステージに立てるように、そこで活躍できるように自身を高めていく。年代別日本代表歴のない宇野にとっては、日本高校選抜の活動も貴重な機会。選考合宿では中盤でボールを奪い切ってアシストするなど存在感を見せていたが、他校の選手のプレーを見て、話をして、自分に欠けている部分も積極的に補足しようとしている。

 17日から始まる日本高校選抜合宿も成長に繋げるだけ。「自分は一個上の人でも学年関係なく、サッカーやっていたら誰にも負けたくないという気持ちが強くあります」という宇野は、川崎F U-18と戦う「NEXT GENERATION MATCH」(2月20日)も、大学生のトップ選手と戦う「第35回デンソーカップチャレンジサッカー熊谷大会」(3月)も「ゾーン」に入ったプレーを続けて日本高校選抜に勝利をもたらす。 

(取材協力=ニューバランス、高校サッカー年鑑)
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