beacon

日本vsモンゴル 試合前日の森保一監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表の森保一監督

 日本代表森保一監督が29日、カタールW杯アジア2次予選モンゴル戦(30日・フクアリ)の前日会見をオンラインで行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

—ビッグゲームの後は難しいと言われるが、選手たちにどのようなアプローチをしているか。
「韓国戦という特別な試合、ビッグゲームの後に試合をするという面においては難しい試合になると思っている。しかしながら、対戦相手から自分たちに与えられるのではなく、われわれが何に向かって戦いを続けているか、どういう目的で、どういう意義で戦っているかということをもう一回再確認し、モンゴル戦に向かいたい。韓国戦は親善試合だが、モンゴル戦はW杯出場に向けた試合。まず2次予選を突破して、最終予選に確実に進むという目標の途中にいる。われわれが目標としていることを達成するためには、常に個人のレベルアップ、チームのレベルアップが必要。対戦相手にレベルアップさせてもらうということではないので、自分たちがもっともっと強くなる、もっともっと上手くなる、そして高い目標に向かっていくんだという志が大事。その志を確認したい。またわれわれの活動意義として、いつもサポートしてくださっている日本国民の方々に勝利をもって喜んでいただく、そして戦う姿勢を見ていただいて、いまコロナや自然災害等で大変な思いをしている人たち、日常生活で大変な思いをしている方々に励ましのエールになる活動をしたい。もう一度、われわれとしての目標の部分と、価値を高めるために自分たちが何をしないといけないのか、応援してくださっている方々のために何をしないといけないかという目標を確認して試合に臨みたい」

—中4日と普段の活動よりも休む時間はあったが、日韓戦で結果を残したメンバーを変える必要があるか。
「練習を見てみないと分からないが、大きく韓国戦から変えようとは思っていない。もともと初めて集まるチームでやってきているし、韓国戦を踏まえて成果と課題を共有した上で、どう突き詰めていけるか、どうレベルアップしていけるかをモンゴル戦に持っていきたい。練習では選手がすごく頑張ってくれているので、変えるポイント等々はコーチ陣と話し合っている。対戦相手や前回の結果を踏まえると、大幅に代えていくことも経験しながら戦っていくため、多くの選手を使ってあげたいという考えもある。チャレンジは忘れないでいたいとは思うが、公式戦なので、チームの軸をしっかり持っていきながら、公式戦で勝ち進むために試合に臨もうと考えている」

—昨年10月、11月の欧州遠征からの課題の修正、チームの収穫というところで、ビルドアップ、奪い方、崩しのところで良くなっていると感じたところは。
「まずはチーム全体の戦い方の共有が去年のヨーロッパ遠征よりレベルが上がったと思う。個々の責任のところと、組織で連係連動させるところ。個と組織のバランス、融合は選手たちがすごく理解して発揮してくれている。まずは個のところで局面を責任を持って勝っていく場面で、役割を全うするというところから、組織でカバーし合うところをよくやってくれた。もう一つ全体的なところで言うと、個で勝っていく強さをメンタル的にも、フィジカル的にも、技術でも見せてくれた。それと同時に、相手に対していま何をしなければいけないのかを、パワーだけじゃなく、柔軟に対応能力を発揮してくれた。剛だけでなく、柔の修正能力も戦術的なところで見せてくれたと思う。戦術的なところでは速攻と遅攻の使い分け方、優先順位のところで、ダイレクトに相手ゴールに向かうことができる時は、ボールを奪って素早く人数をかけて攻撃をしに行くということをまずやろうとしてくれたし、そこがうまくいかないときはボール保持でチャンスをうかがうというところで、GKからのビルドアップも間違いなくレベルアップした。権田も含め、みんなトライしてくれた。守備の部分では攻撃と同じで、優先順位を持ってボールを失った瞬間に奪いに行くという速い切り替えを実践してくれた。なおかつ連係連動の部分で、相手のボール保持者に対し、一人はプレッシャーをかけにいき、プレッシャーをかけていることで相手のミスをさせ、プレーのクオリティーを下げさせて、次の選手がボールを奪っていたことも多かった。そうした個の責任と連係連動を見せてくれていた。全体的な守備で言えば、プレッシャーのかけ方が高い位置で行くのか、もう少し構えてブロックをつくりながら相手に制限をかけてボールを奪いに行くのかという部分でも、チームとして相手をどう追い込んで、どう困らせてボールを奪うかをコミュニケーションしながら、意思統一しながら戦ってくれた。優先順位を選手たちが考えてやってくれたと思う」

—モンゴルの特徴をどう捉えるかによっては余裕のある戦いになるかもしれないし、3バックの採用も含めてシステムの考え方はどうか。
「いまのところ、基本的には韓国戦でやった形でスタートしたいと考えている。練習で変わったらごめんなさい。試合の中で変えたほうがいいということであれば、3バックに変えることもやってきたので、モンゴル戦でも形を変えるかもしれない。まさにそこは迷っていて、3バックをやるのもありかなと思ったりはしている。選手をどう使ったら一番いいのかという、いろんなことが頭の中で巡り巡っている。2次予選をホームで戦わせてもらった時の6-0という結果を踏まえると、大勝しているし、格下相手と思われるが、もちろん絶対に勝たないといけない相手として臨む。勝って当たり前のチームと対戦するほど難しいことはない。直近の試合が韓国戦で、特別なモチベーションに自然となっていく試合だったので、その後のモンゴル戦は難しいと思っている。第1戦で6-0で勝ったが、言葉で圧倒するとかではなく、選手たちが試合の中で個々の役割を100%発揮する、チームとして機能できるように意思統一する、そしてインテンシティを相手に合わせることなくスタートから最後まで続けて、モチベーションを内向きにして、『自分たちは何がやれるんだ』ということに向き合って、しっかりやってきた結果が6-0になったと考えている。今回の試合も内向きのモチベーションを発揮してくれることを望んでいる。そんなことをメディアの皆さんにも感じてもらえるように、メディアの皆さんを通じて試合を見ている方に『韓国戦では魂を感じたけど、モンゴル戦ではダメだったよね』ではなく、『どんな試合でもやるべきことをやれるんだ』ということを感じてもらい、見てくださった方々も『自分のことをしっかりやって頑張ろう』と思ってもらえるような試合にしたい」

—初招集組の印象は。またモンゴル戦で起用する想定はあるか。
「この代表ウィークで韓国戦に向けて、モンゴル戦に向けて8人の“初代表”の選手、僕が監督になってからは10人の“初招集”の選手に来てもらったが、一番はJリーグで結果を出している選手なので、みんな実力があるな、素晴らしい選手だなと思った。個々の力をしっかり示すことができる、スペシャルなもの、特長を持っているというのは練習でも見ることができた。それぞれの選手を満足させられる使い方じゃなかったかもしれないが、特別な試合、プレッシャーのかかる試合で使っても大丈夫だと思わされた。交代枠が許されるなら全員初招集の選手を使いたかったくらい。簡単な試合で経験を積むのは状況にもよるが、プレッシャーのかかる試合を経験することで選手は成長できると思う。プロでやるからには、日本代表としてプレーするからには厳しい中でやるのは当たり前だと思うし、厳しいプレッシャーを幸せだと思って楽しめるくらいであってほしい。今回招集した選手たちは修羅場をくぐってきた選手なので、メンタル的にも安定していて、練習の取り組みがとてもいい。練習を大切にしたいと伝えているが、コミュニケーションは難しい中で、練習での目的を理解してくれて、その中でベストを尽くすという点で、練習を見ていて楽しく思っている。起用はまだ分からない。韓国戦からそう多くを変えようと思っていないが、今日の練習と、スタッフミーティングもするので、コーチの意見を聞きながらひょっとしたら変えるかもしれない。今日の練習の状況もまだわからないが、交代枠は5人あるので、選手たちにはチャンスはあると思うので、状況を見て経験値を上げてもらえるようにできたらと思っている」

—選手たちには笑顔も見られて、いい雰囲気ですね。
「厳しい競争の中でもポジティブにやってくれて、ありがたい限りです」

—モンゴル戦は無観客だが、日韓戦では森保監督の声がよく聞こえてきた。よく声が通ることは采配に影響するか。
「マスクの下にテープで貼って、声があまり通らないようにしたい。僕のコーチングがあまり聞こえないようにしたほうがいいかなと思います。もし言葉の使い方をもし間違っていたら教えてください(笑)。試合中には何というんですかね、声が通るとか、誰に聴こえるということは吹き飛んでしまっていて、全く意識はしていない。選手たちに勇気を持ってもらえるよう、チャレンジしてもらえるようにということで声かけができていればと思う」

●カタールW杯アジア2次予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

TOP