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[MOM3444]國學院久我山GK村田新直(3年)_チームを救った完璧なPKストップ。南仏の香りを纏う新守護神の躍動

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國學院久我山高の新守護神、GK村田新直が完璧なPKストップ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.3 関東高校大会東京都予選準決勝 駒場高 0-2 國學院久我山高]

 明らかにゲームの主導権が相手に渡り掛けていたタイミングで、PKを献上する大ピンチ。だが、守護神は冷静に状況を分析していた。「相手のペースになっていて、あそこで決められたらちょっとまずいかなというのはありましたし、練習でPKをやる時は3分の1ぐらいは止めていたので、体はちょっと浮いていたんですけど、左手一本で綺麗に止められたかなと思います」。國學院久我山高を救ったビッグセーブ。GK村田新直(3年=横浜FCジュニアユース出身)のPKストップが、試合の大きな分水嶺となった。

 前半5分までに2点をリードする展開。最高の立ち上がりを見せた國學院久我山だったが、一転して後半は駒場高の反撃に遭う。15分にはビルドアップを狙われ、決定的なピンチ。村田が果敢に飛び出してここは回避したものの、その2分後にはエリア内でのハンドを取られ、PKを献上してしまう。

 非常にシビアな局面。ただ、村田の頭の中には良いイメージが浮かんでいた。「相手のキッカーも緊張していて、『これはしっかり当てられたら、絶対止められるかな』と思っていました」。完全にキックの方向を読み切ると、伸ばした左手でボールをピッチの中に掻き出す。こぼれ球も味方がきっちりクリアし、チームメイトが殊勲の村田へ次々と駆け寄る。何とか失点を防いだ國學院久我山は、そのまま2-0で勝利。関東大会出場権を勝ち獲ったが、その陰には間違いなくこのビッグセーブが大きく影響していた。

 昨年は村上健(現・慶應義塾大)が不動のレギュラー。第2キーパーとして過ごした1年は、自分のウィークポイントを改めて見直す時間となった。「たまに途中出場で出させてもらった時も、自分が失点して負ける試合もあって、去年はジェファさん(李済華監督)からも『集中力が低い』と言われていたので、今年は1試合通して戦うということで、そこをもっと高めて臨みたいなと思っていました」。その集中力をフルに発揮したPKストップは、個人としての成長を感じさせるワンプレーとなった。

 中学時代は横浜FCのジュニアユースでプレー。ユースには昇格できず、「もともと横浜FCでパスサッカーをやっていたので、『それができる高校がいいな』と思って」國學院久我山の門を叩いた。「身長を生かして、ハイボールの範囲をもっと広げて、どこでも出られるようにしたいなと。今年のチームはみんなそれほど身長が高くないので、そこを自分の高さでカバーしたいなと思います」。仲間と迎える高校最後の1年。今年に懸ける想いももちろん強い。

 名前は『新直』と書いて、“にいす”と読む。「フランスのニースに両親が旅行に行った時に、凄く綺麗な場所で、そこから取ったというふうに聞いています。最初に言った時にもう1回聞き返されることはよくあるんですけど、1回覚えてもらったら一発です」。特徴的な名前だからこそ、世の中に知れ渡る機会があれば、多くの人の記憶に残ることは間違いない。そのチャンスを掴むのも、ある意味で自分次第。同時にそれだけの可能性を、このチームも、彼自身も秘めている。

 國學院久我山の新守護神。村田新直の名前を覚えておいて、損はなさそうだ。

(取材・文 土屋雅史)

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