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“怪物候補”尚志CBチェイス・アンリ、U-20日本代表候補合宿で進化してインハイで「全国制覇」

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尚志高のU-20日本代表候補CBチェイス・アンリがインターハイ出場を決めた

[6.6 インターハイ福島県予選決勝 尚志 5-0 帝京安積高 Jヴィレッジスタジアム]

 “怪物候補”がインターハイ出場を決めた。尚志高のCBチェイス・アンリ(3年)は先発し、連戦の疲れもあった中で無失点。4-0の後半10分まで出場し、回数こそ少なかったものの、抜群の高さで会場を沸かせ、自陣での競り合いで相手をねじ伏せて3点目の起点にもなった。

 アンリの高さを警戒する帝京安積高はゴールキックなどで意図的に彼を外し、自陣のセットプレーでは2人がかりで跳ばせないようにしていた。今大会はセットプレーでの得点がなく、本人は不満げ。だが、優勝して全国切符を勝ち取ったことについては「めちゃくちゃ嬉しいです」と頬を緩ませていた。

 6日の試合後に移動し、7日からは3年代上の世代のU-20日本代表候補合宿に参加する。04年早生まれのアンリは“飛び級”でのU-20代表候補入りを喜ぶ。「嬉しいです。相手プロだし、自分がどれくらいできるのか確かめたり。1対1の強さとか、自分のヘディングが勝てるのかとか。楽しみです」。特に勝負してみたい選手がいるようだ。

「(千葉の)櫻川ソロモン君です。(フィジカルで)めちゃくちゃ勝負したいです」。今回の合宿には、尚志で2学年上の先輩だったFW染野唯月(鹿島)も参加する。いわゆる「1年-3年」の関係で「ちょっと怖いです」と苦笑するが、それは染野以外のJリーガーに対する印象も同じ。プレーで自分を認めさせてパリ五輪世代のU-20代表でも存在感を発揮していく。

 尚志の仲村浩二監督は「染野をバチッと止めれるくらいの、『やったるで』とは思っていると思うんですけれども。Jリーガーたちと一緒にやれるんで、彼の今後の成長が楽しみです。パススピードだったり、頭の判断スピードだったり、彼がU-20で学んだことをウチのチームに落として行ってくれればより良いチームになるんじゃないか」と期待する。

 アンリも染野とのマッチアップへ向けて「頑張ります」と宣言。そして、U-20代表では「守備のポジショニングとか、ビルドアップとか学んできたいです」と意気込んだ。昨年、抜擢されたU-17日本代表で圧倒的な高さや対人の強さ、フィード力を発揮。国際大会でゴールを決めるなど自信をつけたCBは、周囲も驚くほどの進化を遂げ、一躍注目度を高めた。

 そして現在、「やられる感じはしないです 同い年には負けられない。1個上も」と語るアンリは、U-20代表候補入り。指揮官も期待するように、この経験を自身の成長に繋げ、チームに還元して夏の日本一を狙う。

「(インターハイで)全国制覇、絶対にします。自分が守れば負けることはないので。自分の完全な安定感とか絶対に失点しない、抜かれない、あとCKのヘディングとか見て欲しい」と力を込めた。昨年の年代別日本代表選出をきっかけに行うようになったというストレッチによって、コンディションは向上。動きの質が高まり、多かった怪我も減少した。今年1月の選手権出場を逃したものの、「(歴史に)名前を残したい」という思いでこの1年に臨んでいる。

 インターハイで対戦したい相手は、昨年2月のU-17日本代表初選出時に一緒にプレーし、「あの人は凄いです。1個下とは思えない」というFW福田師王(神村学園高2年)やMF松木玖生(青森山田高3年)。高校サッカーの“怪物候補”はU-20代表でプロから学び、進化し、夏の全国舞台でライバルたちを全て封じ込んで、尚志初の全国制覇を成し遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2021

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