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エリクセンへのファインプレー連発のデンマーク主将、しかしその代償は大きく…

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デンマーク主将のDFシモン・ケアー(ミラン)

 動揺が走ったデンマーク代表のチーム内において、主将DFシモン・ケアー(ミラン)は冷静だった。スペイン『マルカ』が「ヒーローになった真のキャプテン、シモン・ケアー」と題し、そのファインプレーの数々を称えている。

 デンマークは12日の欧州選手権(EURO2020)のグループB第1節でフィンランド代表と対戦。前半途中にMFクリスティアン・エリクセン(インテル)が突如意識を失って倒れ、試合が一時中断するアクシデントがあった。

 同紙によると、ケアーはエリクセンが倒れると同時に素早く駆けつけ、救急隊員が到着する前に2つの重要な措置を取ったという。まずは失神したエリクセンが呼吸を続けられるように、舌を飲み込むのを防ぐこと。そして関連するプロトコルに従い、エリクセンを正しい位置で寝かせることだったようだ。

 ケアーは救急隊員に全てを任せた後も、事態の推移を見守り続けた。応急処置を受けるエリクセンをデンマークのチーム全員で隠すように囲んだ際、ショックで目を背ける選手もいたが、毅然とその様子を見つめる姿がカメラにも捉えられている。

 デンマーク主将の仕事はこれだけにとどまらない。エリクセンのパートナーであるサブリナ・クビスト・イェンセンさんが心配のあまりピッチに飛び込んでくると、GKカスパー・シュマイケル(レスター・シティ)とともに落ち着かせようとしていた。

 その後、エリクセンはストレッチャーに乗せられて病院に搬送。欧州サッカー連盟(UEFA)とデンマークサッカー協会(DBU)は「容態は安定している」と報告した。そして中断から約1時間50分後にゲームが再開されたが、ケアーは後半18分に途中交代。デンマークはFIFAランクで格下のフィンランドに0-1で敗れた。

 スペイン『アス』によれば、デンマークのカスパー・ヒュルマンド監督は選手たちにとって「トラウマ的な経験だった」と話し、その中で最も影響を受けた選手の1人がケアーだったと認めている。指揮官はキャプテンの交代について「彼は非常に影響を受け、プレーを続けることができなかった」と、メンタル面が理由だったと説明した。チームメイトの生命の危機で懸命に立ち回ったが、その反動は大きかったのかもしれない。

 グループリーグ初戦を落としたデンマークは17日の第2節でベルギー代表と対決する予定となっている。

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